輸入食材店が目を光らせる異色展示会の正体 「FOODEX JAPAN」で食のトレンドを読む

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ちなみに出展料は1小間で6万数千円なので、ブランドをアピールし、さらにさまざまな企業と商談機会を持てる場として、コストに見合うと考える企業もあるだろう。特に地方の企業にとっては貴重な機会かもしれない。近年、いわゆる「ご当地グルメ」が注目されていることもある。今回の展示会でも9~10ホールが国内出展ゾーンに充てられ、「全国食品博」と称して、全国の食が一堂に集められた。

「ギー」(左)と「チコリコーヒー」(筆者撮影)

次に、オーガニック&ウェルネスの展示場を取材した。注目は、海外発のスーパーフードである。健康によい油脂として欧米のセレブの間で大流行し、日本でもダイエッターの間で話題となっている「ギー」が、カフェインレスのチコリコーヒーと並べて展示されていた。出展担当者によると「オランダの国立公園のような場所で、無農薬の草で育てられている牛からとれるバターから、水分、たんぱく質を除いた純粋な油脂の部分」だとのこと。このギーは出展企業によると5月から取り扱いを開始する予定で、アマゾンを通して予約も受けつけているそうだ。

ほかにも、そば粉を使ったグルテンフリーシリアルなど、オランダの企業の商品が出展されていた。いずれもデザイン性の高い、おしゃれなパッケージが目を引く。女性だけで構成されている会社の商品だという。

「低糖質」「グルテンフリー」にこだわった商品が多い

植物性とグルテンフリーにこだわったスイーツを展示したブース(筆者撮影)

全体を見ると、「低糖質」「グルテンフリー」にこだわった商品がやはり多い。豆乳をベースに、かぼちゃや芋、および植物由来の甘味料「アガベー」で甘みをつけたソフトクリームの展示は、試食ができるとあって人を集めていた。出展企業はオーガニック食品専門スーパーにパンやアイスクリームを卸している営農企画。豆乳ソフトクリームは、六本木にオープンしたカフェでも味わうことができるという。

またある豆腐製造業者も、おからや芋などを利用した、小麦粉や砂糖を使わないスイーツ材料を出展していた。

そのほか、ここでも「ジャパン・ブランド」の食品ということで、健康食としての味噌やしょうゆなど、発酵食品が目立った。

水耕栽培を組み合わせたシステム「アクアポニックス」(写真:編集部)

ユニークな展示も見られた。魚などを飼うための水槽に、水耕栽培を組み合わせたシステム「アクアポニックス」だ。水槽内の魚の排泄物などが分解され、植物の肥料になるため、無農薬なのだという。また植物によって有機物が吸収された水はまた水槽に戻されるため、水槽内はきれいな状態に保たれる。欧米を中心に研究開発が進み、生産された食物の飲食店への導入事例もあるそうだ。担当者に聞くと、このシステムは日本でも、一般家庭や飲食店などにオブジェも兼ねて設置されているという。

最後に、今回のキーワードとは外れるが、興味を引かれた展示をいくつか紹介する。

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