彼が2歳のころの話です。月や星に興味を示していた彼は、夕方、暗くなりかけたころ、家の縁側で目を輝かせて月や夕星(ゆうづつ)を見つめていたそうです。母親はその行動を不思議に思いました。と同時に、庭に転げ落ちないかと心配し、彼が寝ている間に思いもよらない行動に出ました。母親は深夜、彼の眠る部屋の壁中に金色と銀色の折り紙を使い月と星をかたどり、手作りの宇宙空間を演出したのです。
朝目覚めたときの彼の驚きは大変なもので、その衝撃は今でも忘れられず心に刻まれているそうです。彼はその後も親とのかかわりの中で、自然科学への思いを加速させていったようです。
祖母がたたきこんだ、語学を学ぶべき“物騒な”理由
親子のかかわりの中で育まれるものは、何も自然科学の力だけではありません。知り合いで、語学に堪能な医師から伺った話です。この方の場合、小学生の頃、親ではなく祖母から、語学の大切さをたたき込まれたといいます。
ある日、祖母が語学がなぜ大切であるかを次のように話したというのです。「語学は大切だ。これから中学に上がったら、語学を真剣に勉強しなさい。もし、お前のもとに、『I will kill you.(お前を殺す)』という手紙が届き、お前がそれを訳せなかったらどうする。だから語学の勉強は大切なんだ」。
少々極端な逸話ですが、この出来事を契機に、彼は英語と真剣に向き合うようになったと回顧されます。また、祖母のこの話が英語力増強の原動力になったというのです。
自らが能動的に自分の力で動けるように子どもの心を刺激すること。子どもが前に進めるように動機づけをしてあげること。「できる子」誕生の秘密は、少なからずここに潜んでいそうです。
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