「自分で考える子」を育てた親のある共通点 子どもの部屋を、一晩で「宇宙空間」に!

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彼が2歳のころの話です。月や星に興味を示していた彼は、夕方、暗くなりかけたころ、家の縁側で目を輝かせて月や夕星(ゆうづつ)を見つめていたそうです。母親はその行動を不思議に思いました。と同時に、庭に転げ落ちないかと心配し、彼が寝ている間に思いもよらない行動に出ました。母親は深夜、彼の眠る部屋の壁中に金色と銀色の折り紙を使い月と星をかたどり、手作りの宇宙空間を演出したのです。

朝目覚めたときの彼の驚きは大変なもので、その衝撃は今でも忘れられず心に刻まれているそうです。彼はその後も親とのかかわりの中で、自然科学への思いを加速させていったようです。

祖母がたたきこんだ、語学を学ぶべき“物騒な”理由

親子のかかわりの中で育まれるものは、何も自然科学の力だけではありません。知り合いで、語学に堪能な医師から伺った話です。この方の場合、小学生の頃、親ではなく祖母から、語学の大切さをたたき込まれたといいます。

ある日、祖母が語学がなぜ大切であるかを次のように話したというのです。「語学は大切だ。これから中学に上がったら、語学を真剣に勉強しなさい。もし、お前のもとに、『I will kill you.(お前を殺す)』という手紙が届き、お前がそれを訳せなかったらどうする。だから語学の勉強は大切なんだ」。

少々極端な逸話ですが、この出来事を契機に、彼は英語と真剣に向き合うようになったと回顧されます。また、祖母のこの話が英語力増強の原動力になったというのです。

自らが能動的に自分の力で動けるように子どもの心を刺激すること。子どもが前に進めるように動機づけをしてあげること。「できる子」誕生の秘密は、少なからずここに潜んでいそうです。

小林 公夫 一橋大学博士、作家

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こばやし きみお / Kimio Kobayashi

専門は医学と法、生命倫理学。現在は生殖医療や実験的治療行為など先端医療の研究に従事している。研究の傍ら、医学部受験生の指導にあたり、医学部受験予備校インテグラ、医学部&東大専門塾クエストで、医学概論、医学部生物学、医学部小論文・面接などを指導。著書多数。代表作にシリーズ累計21万部突破の『「勉強しろ」と言わずに子供を勉強させる法』『新「勉強しろ」と言わずに子供を勉強させる法』「オトバンクFeBe版勉強しろと言わずに子供を勉強させる法」(PHP研究所)、『わが子を医学部に入れる』(祥伝社新書)などがある。『医学部の面接 [3訂版](赤本メディカルシリーズ)』、『医学部の実践小論文 [改訂版](赤本メディカルシリーズ)』(教学社)は医学部受験生のバイブル。医学部入試に関する情報はオフィシャルサイトにも掲載している。

 

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