「自分で考える子」を育てた親のある共通点

子どもの部屋を、一晩で「宇宙空間」に!

「オペロン説」という分子生物学の分野の話をしていた時のことです。「大腸菌は、普段はグルコース(ブドウ糖)をエネルギー源として用いている。そのため、ラクトース(乳糖のこと。乳糖分解酵素でグルコースとガラクトースに分解される)を与えても、すぐには利用できない。しかし、栄養源をラクトースだけにして十数時間もすると、大腸菌はなぜかラクトースを分解する酵素を作るようになり、ラクトースを利用するようになる。グルコースがないのだから、必要に迫られてラクトースを使うわけだ。この事実は、環境の変化に対応して大腸菌の体の中で発現する遺伝子が調節されているということを示している。つまり、周囲の変化に適合するように大腸菌は生きているのだ。生物というものは実に効率の良いメカニズムで生きている。つまり目的に合った『合目的的行動』をとるのだ」と説明したのです。

すると私のこの説明に対して、ある生徒はこう言いました。「ああ、つまり生物はムダなことをしないということですか。生物の行動は、基本的に理由に裏付けられた行動なわけですね。生きる方向や生きる目的と整合して行動するのですね。ということは、今話された『合目的的行動』という観点で生物現象、生命現象を観察し、それにそぐわないおかしな現象を排除していけば、生物入試の考察問題の解答はおのずと絞られ、正解が導けますね」、と。なかなか、的を射た指摘だと思います。

仕事で行く先々に子どもを連れていく

では、子どもにどのように接すれば、このような基本的・本質的姿勢が身に付くのでしょうか。3人の息子をアメリカのスタンフォード大学に入れたことで話題となったある歌手の母親は、海外も含めて自分が仕事で行く先々に子どもを連れて行き、さまざまなものに触れさせたそうです。

おカネのかかる話で、私たち一般人には同様のことをまねすることはできませんが、何も遠征でなくても、星空を見せたり、浜辺や野原で一緒に生き物を観察したり、コンサートや美術館、映画鑑賞に出かける、作家のサイン会に連れて行くなどはできそうです。

そして、家の中でのやりとりでも、子どもに刺激を与えることは可能です。私の知人の話です。ある日、彼に「自然科学系の科目が群を抜いてできるけれど、子どもの頃、家庭での教育はどうだったの?」と、質問を投げかけたことがありました。彼は少し考え込んでいましたが、その問いに幼少期の1つのエピソードを披露してくれました。

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