経費を雑に把握する会社は成長余力が少ない 製品・サービスの価格を考え抜いていますか
経費だけでなく、利益もできるだけ細かく分析できるようにするといいでしょう。
たとえば、あなたの会社の売り上げが1億円で5%(500万円)の利益が出ていたとします。取引をしている顧客はおおむねA社、B社、C社の3社で、そのうちA社からの売り上げが6000万円、B社が3000万円、C社が1000万円だったとします。
この場合、つい売上額の6割を占めるA社を大事にして人員を割き、フォローを優先してしまいがちですが、それぞれの顧客に自社の人員や時間、経費をどれだけ割いているのかを測定できるようにしたら、どのようなことがわかるでしょうか。
顧客ごとに採算を測定するとわかる
私の知る伸びてる会社では必ず、顧客ごとの採算を見えるようにしています。顧客ごとの採算が見えるようになると、たとえば、対A社の利益は50万円(利益率1%)、B社は200万円(利益率7%)、C社は250万円(利益率25%)などということがわかったりするわけです。
それまでは、A社はたくさん仕事をくれるのだから、少し単価が安くても我慢して仕事をしようと考えていたのですが、顧客ごとの利益率がわかれば、A社とは強気に価格交渉をできるようになりますし、C社との取引をもっと増やせば、自社の利益をもっと増やすことができると気づくことができるのです。
コンビニやファミレスなど、事業所から出るゴミをルートで回収しているY社は、最近、ゴミの収集車1台ごとにタブレット端末を配りました。
というのも、これまではゴミを出す利用客ごとに回収の単価を決めていたのですが、1つのルートに複数の利用客がいるため、客単価がわからなかったのです。このタブレットに、回収を担当するスタッフがゴミの量を入力していくことによって、利用客ごとのゴミの量、売上金額とゴミ1つ当たりの利益額を測定できるようになりました。
そのことによって、取扱量が多くても利益が出ていなかったり利益が薄かったりする利用客に対しては、代金の値上げをお願いしたり、場合によっては今後の取引をお断りするという対応が取れ、会社の利益率を大幅にアップすることができたのです。
私の事務所でも、顧問契約をいただいているお客様ごとに、毎年弁護士がどれくらいの時間を使ったかを測定できるシステムを導入しています。これにより、本当に事務所に利益をもたらしてくれるのはどのお客様なのかもわかりますし、「つい好きなお客様にだけ時間を多く使ってしまう」ということも防げるようになりました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら