森川亮「若者はリアルに価値を求めている」

ミレニアル世代はシェアしない

日本では、いまでも女性が抑圧されているところがありますよね。そんな日本の女性たちが世界で活躍できるようなサービスに成長させたいと考えています。

なぜ“リアル”なイベントなのか?

「SUPER C CHANNEL」イベント概要/日時:2017年4月1日(土)・2日(日)11:00〜20:00(予定)。会場:東京国際フォーラム ホールE1。東京都千代田区丸の内3-5-1。入場料:無料。SUPER C CHANNEL

──今回、ネットで大きなコミュニティを作ったC CHANNELが、リアルイベントを開催する予定だと聞いて驚きました。なぜ、リアルイベントなのですか?

情報量でいうと、デジタルよりもアナログのほうが圧倒的に多いんです。

私たちのようなアナログ世代は、デジタルに移る段階で「便利」だとか「使いやすい」という理由で、テクノロジーを使ってきました。ソーシャルメディアでシェアするのも、普及当初は新しい人とつながるのが目的でしたよね。

それがいまの若者は、生まれたときからデジタルテクノロジーに囲まれてきました。ソーシャルメディアでは、つながることよりも、むしろ炎上を恐れています。

──なるほど、一般的なイメージとは異なり、デジタルネイティブは「シェアしない」んですね。サービスイン当時のC CHANNELから得た学びの「ユーザーは動画を投稿しない」にも通じます。

そうなんです。デジタルには温かみがないと感じているんですね。だからいま、音楽ライヴのようなオフラインのイベントに若者が足を運ぶようになってきたのです。

C CHANNELではハウツー動画をたくさん提供していますが、これは「観る」だけでなく「やる」ことも大切です。であれば、実際に行動に移すところまでを私たちでやってみようと考えて、イベントを開催することにしました。

動画を作る人と、観る人が同じ場を共有し、さまざまなノウハウを交換し合って、その経験を家に持ち帰ってもらう。そこで新しい出会いがあったり、さらなる学びがあったりしたらいいですね。

──突飛な話をするようですが、ポスト・ミレニアル世代の子どもたちが社会に出る2020年代中盤は、人類が「技術的特異点(シンギュラリティ)」を通過するとされる時期のひとつに重なりますね。

現代の人間は、折り返し地点を通過しようとしているのかもしれません。これまでは人間を卒業する方向でデジタルが進化していきましたが、AI(人工知能)の実現可能性が現実味を帯びてきたことで、むしろ「人間らしさとは何だろう?」という点に原点回帰している印象があります。

ここ数年、あまりにも早いスピードで新しい物事が誕生したことで、人間として、さまざまなものを失ったまま走り続けていたのではないでしょうか。むしろ失った状態で走らざるを得なかった、といってもいい。

ミレニアル世代は、インターネット時代に失ったものをオフラインに求めています。アナログ世代が作った社会や制度に対して、ミレニアル世代は「本当にそうなの?」と疑問を抱いている。その中で、ミレニアル世代だからこその、新しい価値観を彼ら彼女ら自身が作っていくのではないでしょうか。

森川亮(もりかわ・あきら)
1967年生まれ。大学卒業後、日本テレビに入社。コンピュータシステム部門に配属され、多数の新規事業立ち上げに携わる。2000年よりソニーへ転職し、ブロードバンド事業を展開するジョイントベンチャーを成功に導く。2003年、ハンゲーム・ジャパン(現LINE)に入社。2007年に同社の代表取締役社長に就任。2015年3月に退任し、顧問に就任。同年4月、動画メディアを運営するC Channelを設立し、代表取締役に就任。
C CHANNEL

 

(聞き手:冨田秀継(GQ) 文・構成:赤坂恭介 写真:高橋敬大)

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