“盲導犬ロボット"の可能性 日本精工が最新仕様を開発、16年にも一部実用化へ
「右に曲がります」「壁があります」
視覚障害者の歩行を誘導するマシン、いわば“盲導犬ロボット”。自動車や家電製品に使われるベアリング(軸受)の国内最大手メーカー、日本精工がその最前線を走っている。日本精工は、ベアリングを含め、ロボットなどの機械を「駆動」させるうえでの重要部品をもともと数多く手掛ける企業である。
介護・福祉の現場で注目されるロボット
ロボットは、人工知能やセンサーを駆使し、自律的に動いて作業する。人間の生活を支援する存在として、ここ数年、介護や福祉の現場での活用が注目されている。政府や一部の自治体もロボットの普及を促す政策を打ち出し始めた。2013年度中には、生活支援ロボットに関する安全基準も国内外で定められる見込みだ。
日本精工はこのほど、盲導犬ロボットの最新仕様を開発・公開した。以前のロボットは実際に「犬」の形をしたもの(=左写真=)や、より多くのセンサーをつけ重量もあるもの(=写真は次ページ=)だった。ただ、あくまでも「実用性」を重視し、多くの人が操作しやすくなるよう小型化、軽量化を進めた。同様の機能を持った旧型のロボットが40kgであったのに対し、15kgまで軽くした。
主な使い方はこうだ。本体上部にある黒いふたのような「グリップ」を握り、進みたい方向に軽く力を入れると、センサーが感知しその方向に導くようにタイヤが動く。また、前方に障害物や一定以上の段差があると、ロボットの前方下部に取りつけられたレーザーセンサーが感知。冒頭の音声を発し、それらを避けるように別の方向に曲がる。
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