人型ロボット、2013年 宇宙の旅 トヨタや東大、JAXA、電通などが共同事業

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「ボクはロボット宇宙飛行士です!」

軽快な口調で話す人型ロボット、その名も「KIROBO(キロボ)」。頭から足までの長さは34センチメートルと、「人形」のようなサイズながら、話しかけられた言葉を認識し、意味や使い方を学習するようプログラムされており、人との会話が可能な最先端ロボットである。蓄積された記憶をもとに会話の内容を類推して、幾通りもの返事をしたり、画像認識技術により、人の顔を記憶して判別したりすることもできる。

国産ロケット「H-ⅡB」4号機で宇宙へ

そのキロボが2013年、宇宙へと旅立つ。今年8月、国産ロケット「H-ⅡB」4号機に搭載される、宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機に積み込まれ、種子島宇宙センターから打ち上げられるのだ。2014年末まで国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する。

6月26日、このプロジェクトを取りまとめる電通、ロボットの開発を担ったトヨタ自動車とロボ・ガレージが都内で共同会見に臨んだ。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力の下、昨年9月のプロジェクト発足から1年弱をかけてキロボの開発を行い完成に至ったと発表(総開発費は非公表)。ロボ・ガレージ社長で東京大学特任准教授の高橋智隆氏は「宇宙でコミュニケーションロボットの可能性を検証し、かつ、人型ロボットを世界中に発進したい」と意欲を見せた。

人型ロボットが宇宙に行くのは世界でも初めてだという。ISSでは今秋から滞在する予定の若田光一・宇宙飛行士との会話実験が行われることはすでに発表されている。ただ、若田氏のISS滞在前後にも長期間キロボは現地に滞在する。特に来年5~6月に予定されている若田氏の地球帰還後、少なくとも半年は「残留」するというスケジュールだ。

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