人型ロボット、2013年 宇宙の旅 トヨタや東大、JAXA、電通などが共同事業
その間、キロボは何をするのか。プロジェクトのとりまとめ役である電通ビジネス・クリエーション局の西嶋賴親氏は「まだ発表できないが、大きなことではない」と話す。
今回の宇宙での実験は「ロボットが宇宙に行くこと」そのものに意味があるといえそうだ。キロボの開発にあたっては、宇宙空間に耐えられるようさまざまな審査・実験が重ねられている。たとえば無重力空間では熱が対流しないため、モーターなどが発した熱がうまく発散されない。そのため空気を循環させるファンを内部に取りつけた。
宇宙で得られる知見をロボット開発に生かす
ただ、それだけの準備をしても宇宙空間では何が起こるかわからない。長期間ロボットを宇宙空間に晒したうえで、「宇宙実験で得られる知見を今後に生かしたい」と西嶋氏も述べている。
ロボットを宇宙にとばす。これだけで少なく見積もっても数億円以上の費用が投じられている。人型ロボットが本当の意味で人間をサポートするようなものになっていくためには、宇宙空間に耐えるといった、あらゆる事態を想定していく必要があるのかもしれない。
開発に参画したトヨタ製品企画室主査の片岡史憲氏は「具体的なフィードバック先はまだわからないが、要素技術として今後のロボット開発に活かしていきたい」と話す。前述の高橋氏も「一人一台、ロボットと暮らす社会を15年以内に実現したい」と意欲を見せている。
人類で初めて月面に降り立った、かの有名なニール・アームストロング氏の言葉をもじり、キロボ自身が26日の会見で発したように、「この一歩はロボットにとっての大きな一歩になる」のかもしれない。ロボットの大きな未来を背負い、小さなキロボが8月、宇宙へと旅立つ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら