ホンダ「アシモ」、里山へ 再生に人型ロボットの最新技術を応用
ホンダが2000年から公開している人型(ヒューマノイド)ロボット「ASIMO(アシモ)」。初期は2足歩行が目玉だったが、最新型は走ったり、紙コップにジュースを注いだり、サッカーボールを蹴ったりなどと、さまざまな動作ができるほどに進化。自律行動制御技術の搭載により、人の歩く方向を予測してぶつからないように歩いたり、3人が同時に発する言葉を聞き分けたり、といったことも可能になっている。
そのアシモの技術が、実際の社会活動に生かされるときが近づいている。ターゲットは里山。都市と自然の間にあって、人が利用してきた森林の再生である。
自律走行できる無人ロボットを実用化へ
ホンダはレース場であるツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)の里山を、「自然体験施設ハローウッズ」として再生し、人と自然がじかにふれあう場所を提供するなど、里山の再生に取り組んでいる。
里山では日照管理のため間伐を行っているが、切った丸太を山のふもとまで下ろすのが非常に難しいという。それを受けた伊東孝紳社長の掛け声で、ホンダは半年後の完成を目指して山道を無人で走行する間伐材の運搬機、その名も「里丸(さとまる)」の開発を進めている。ベースとなるのは、足回りがクローラ式の小型運搬機「力丸(りきまる)」。その力丸に「アシモ」の技術を組み合わせて、自律走行ができる無人ロボットをつくり、実用化するというのだ。
ホンダは3月3日、ツインリンクもてぎで環境新技術説明会などを開き、これについて明らかにした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら