セブン-イレブン、成長なぜ止まらない 鈴木会長「コンビニ弁当の試食、当たり前のこと」
もがきながら成長したセブンは仕事への考え方が違う
──最近はFC会議でどんな話をしているのでしょうか。
今でも最初の頃と変わらない。時代は変わるので、その時々に応じて実例は変わるが、まずはお客様を大事にしよう、ニーズをきちっと探り当て、品ぞろえをきちっとしよう、欠品状態を絶対に作らないようにしよう、ということだ。要は、基本を大切にする、お客様に対してつねに誠実に向き合うということだ。
──イトーヨーカ堂に比べ、セブン-イレブンはなぜ強いのですか。
イトーヨーカ堂はスーパーが売り手市場の時代に誕生した。セブン-イレブンはまったく反対の渦の中で産声を上げて、もがきながら成長してきた。だから仕事に対する考え方がまったく違う。
ヨーカ堂は商品については問屋がいちばんよく知っているという固定観念を持っているから、彼らに商品知識を頼ってしまう。セブン-イレブンは問屋以上にお客様の要望を察知して、新しい商品に反映させようという考え方を持っている。
頭が良いとか悪いとかいうことではなく、仕事に対する姿勢が違う。今は人事交流を積極的に行い、ヨーカ堂にセブン-イレブンのノウハウを注入している。
──業績が好調な要因の一つにプライベートブランド(PB)の強化があります。
日本はナショナルブランド(NB)に対して、PBは安いものだと思い込んでいる。日本では顧客が100人いたら、半分は安い商品を望んでいるかもしれないが、残り半分の方はおいしいものを望んでいる。たまたま欧米では、NBに対して優位性を保つためにPBは低価格、という考え方をしているだけ。安いものがPBだという定義はない。