コンビニ総菜の知られざる“進化” 真空包装マシンの充填技術、極限まで工夫
いまや総世帯数の3割を単身世帯が占める日本。1人暮らしのシニアや若者にとって心強い存在が、コンビニエンスストアだ。とくに食材の調達で、重宝している単身者は少なくないだろう。
コンビニ側もこうした需要を取り込むため、近年は“食べきりサイズ”で、すぐに食べられる食品を充実させている。代表的なのが各種の総菜で、昔に比べて味や品質のレベルが格段に上がったと実感することは少なくない。実際、コンビニ側も総菜の“進化”のために、あの手この手を駆使している。
原料の産地で加工、食感の追求にも入念
たとえばセブン-イレブンのプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」のうち、小分けした袋に入った「ポテトサラダ」。売れ筋の一つだが、この商品は静岡地盤の総菜メーカー・ヤマザキと組んで手がけたもので、産地に近い北海道・旭川の工場で製造されている。ジャガイモは皮に近いところにうまみを蓄える性質があるといい、工場には皮をできる限り薄く剥く機械を導入するなど、ホクホクした食感を追求するために製造面でさまざまな工夫をこらした。
一方、ポテトサラダのようなコンビニ総菜の進化を支えているのは、原料や製造工程の工夫だけにとどまらない。総菜などの固形物を小さなパウチに充填する技術にも、こだわりがある。
6月11~14日まで東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた国際食品工業展「FOOMA JAPAN」。そこに出展されていた全自動真空包装機はコンビニ総菜の包装工程で、まさに極限の工夫に挑んでいた。マシンを手がけるのは、産業用ロボットや航空機の部品を手掛ける機械大手、ナブテスコ傘下の東洋自動機である。