安倍政権は、選挙後も経済に注力してほしい
アベノミクスの一本目の矢である金融政策は、市場の期待感を呼び起こすというよい刺激を与えていたと言えます。その結果、株価も上昇しましたし、異常な円高水準を解消することもできました。ただ、「異次元の金融緩和策」は、しょせんカンフル剤でしかありません。今後、成長戦略などにより実体経済が中長期的に改善していくかが肝心です。
日本経済の足腰を強めるべく、三本目の矢「成長戦略」も発表されましたが、内容が不十分だったために市場は大失望しました。今のところ、日本経済は回復してきていると言っても、無策だった民主党政権の頃から見ればよくなってきているというだけです。
金融緩和や財政出動だけでは、景気回復は中長期的には続きません。今後、経済が回復を続けていくかは、企業に「国内で事業を拡大しよう」と思わせるような成長戦略を打ち出すしかないのです。
今秋には成長戦略第2弾が発表されるとのことですが、私は、大胆な規制緩和と法人税の課税ベースを広くしたうえでの減税に踏み切るべきだと考えています。ただ、自民党は業界の代表者の集まりですから、既得権益をどれだけ打破できるかが問題です。特に、農業など規制で守られている産業をどこまで緩和できるのか。この点に注目しています。
しかし、参院選が過ぎたら、政治家たちは経済政策をおろそかにするのではないかという懸念もあります。株価がある程度上がったことで満足してしまい、憲法改正などの問題ばかりを議論するようになってしまっては困ります。日本経済の足腰を強くするための本質的な成長戦略が打ち出されることを、心から期待しています。
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