芸能事務所の「特殊かつ旧態依然」とした体質 2人の「清水」が起こした引退・活動休止の背景

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、昨年発売されたフォトブックにも、「私はぺふぺふ病(独自に命名した謎の病)にかかっている」「虚無感がぬぐえないのである」などとSOSのようなフレーズをつづっていたのです。このような危機的サインを受け止めて適切な対応ができていたら……、担当マネジャーだけでなく組織的な管理体制を整えてフォローできていたら……という感覚は、芸能関係者より一般人のほうが持ち合わせているのではないでしょうか。

今回は富美加さんのやり方にも問題がありそうですが、芸能事務所の「これくらいのことはタレントなら当たり前」という意識は、いよいよ通用しない時代に突入しています。そんな時代の要請を認められるかどうか? 今後、芸能事務所のリスクヘッジはこの点が重要になってくるでしょう。

「会見なしで乗り切ろう」、説明責任を放棄

そして、もう1つの「違法賭博疑惑」。

両所属事務所が『FRIDAY』発売前日にコメントを発表し、ともに闇カジノへの出入りを認めたものの、「違法賭博の認識はなかった」「おカネは賭けていない」と主張しました。遠藤さんは謹慎処分、清水さんも出演舞台の降板やディナーショーが中止されるなど事実上の謹慎状態となっています。

週刊誌の発売前に謝罪コメントをリリースするなど、対応のスピードはすばらしく、これは昨年続いた不倫騒動を経ての学びでしょう。しかし、本人たちの会見はなく、多くの人々に疑惑を与え、関係者たちを困らせたことに対する説明責任を果たしているとはいえません。

本当に「知らなかった」「おカネを賭けていない」など、報道が事実と異なるのであれば、「遺憾の意を表し、法的措置を視野に入れる」のが筋というもの。それをしない以上、イメージダウン必至であり、「やはり芸能事務所の隠蔽体質は変わっていない」などといわれてしまうのです。

芸能事務所は一般企業と同等以上にイメージが大切な商売であるにもかかわらず、クライシスコミュニケーション(危機的状況時に被害を最小限に抑える活動)が遅れていて、特に情報開示や初動対応のまずさは、まだまだ変わっていません。

今回の闇カジノについて、知人のノンフィクションライターに話を聞いたところ、「おカネを賭けないのはありえない」「紹介のない人がたまたま入れる店はない」「看板のない雑居ビルに入るリスクがわからないはずがない」と断言しました。

次ページ芸人の不倫ですら許されない時代に
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事