強烈なタブー、いったい「ブス」とは何なのか 自己啓発本にもなる一冊

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本書『ブスの本懐』は、そんなブスの威力を示す具体的なエピソードからブスの種類、ブスの生態、ブスがもつべきマインドに至るまでブスの全てが網羅されている。

著者自身がブスであることを隠さないどころか、臆面もなく繰り出すブストークは自虐のような卑屈さを一切感じさせず、むしろ心地良いほどの破壊力がある。

“諦めていないブスにとって、4月はまたとないビッグチャンス”
“ブスはブスであること以外、何も続かない”
“腹にダイナマイトだけ巻いて突っ込んでくるブスに勝てると思ったら大間違いだ”
“珍妙な格好の個性派ブスは、服の方がドブス様の顔の個性に負けている”
“「金と労力をかけた結果ブス」という発射失敗ロケットみたいなブス”
“「自撮りブスしぐさ」を極めて、そんじょそこらのブスどもに差をつける”

ブス同士でマウンティング・・・

目次だけで怖い、しかし読んでみたいという好奇心が抑えられない。

そこそこの女を飛び越えて、めちゃモテ超絶美人を目指してしまうが故に失敗するブス。

奇跡的な確率を超えて、異性に好かれても疑心暗鬼に陥るブス。

4月に新しい自分になるため奇抜な服を着たエレクトリカルブスになるものの、5月には失敗に気づき普通のブスに戻るブス。

ブス同士でマウンティングする、ファイティングブス。

どこかで見た懐かしいブスたちの姿が生き生きと描かれている。読み進めるごとに笑ったり、胸が痛くなったり、思わず紙面上のブスたちに感情移入してしまう。 改善策なんて生ぬるいものは提示しない。「本当に生まれ変わりたかったら、1回死んで、福山雅治と吹石一恵の子供として転生するなど、入念な準備が必要だ。」と身も蓋もないことを平然と言う。

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