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景気が良いのは、円安で潤う大企業のみ なぜマスコミは日銀短観の事実を曲げて伝えるのか

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設備投資総額が増加するとは考えにくい

設備投資計画は、大企業製造業で13年度は前年度比6.7%増、中小企業では10.5%増だ。これを見て、「今後設備投資が増加する」とする考えもあるのだが、次の4点に注意が必要だ。

第一に、例年6月調査の数字は、年内で最高の値を示す傾向がある。大企業製造業の6月の値を12年6月と比べると、かなり低い(ただし、中小企業の値は、12年より13年が高くなっている)。つまり、円安によって利益が大幅に増えた大企業製造業も、設備投資を本格的に増やそうとはしていないわけである。

第二に、生産・営業用設備は依然として過剰判断だ。「過剰」-「不足」の指数が、製造業は規模によらず10以上のプラスだ(全規模は12)。

したがって、製造業における設備投資は、生産能力増強や新規事業のための本格的な設備投資でないと考えられる。これまで先送りしてきた古い設備の更新や、省エネルギー化や防災に関する投資が増えたためだと言われる。製造業の多くの企業が海外シフトを既定方針にしている。こうした中で企業が収益を国内の設備投資に向けるか、大きな疑問だ。

第三に、非製造業の13年度計画は前年度比マイナス0.2%だ。中小企業はマイナス17.1%だ。現在の日本では、非製造業の設備投資が製造業の約2倍になっている。設備投資の総額が増加するとは考えにくい。

第四に、資金の借入金利水準判断が上昇している(全産業、全規模で、「上昇」-「低下」が、3月のマイナス8から6月にはマイナス1になり、「先行き」は13になった)。金利の先高観が意識され始めたわけである。貸付金利が今後上昇すれば、設備投資に対して抑制的な効果が生じるだろう。

週刊東洋経済2013年7月20日号

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