2016年は英国民投票でのEU(欧州連合)離脱派勝利によって欧州統合が逆行したほか、米大統領選でドナルド・トランプ氏が当選するなど、政治的には最悪の1年間だった。リベラル派は今後、何らかの希望を見いだせるのだろうか。
キリスト教では絶望することは大罪だと信じられているが、一筋の光明は差している。
米国では、無知で自己愛的な権威主義者のトランプ氏に支配されるのはまっぴらだ、との強い意見があり、リベラル派が新政権への反対勢力を築こうとしている。
反対勢力の組織化が必要
市民団体やNGO(非政府組織)、学生、人権活動家、民主党議員、さらに共和党員の一部もこうした流れに乗りそうだ。大衆の抗議行動が再燃し、リベラル的な理想主義がポピュリズムを打破する可能性もある。
インフラ支出を増やす半面で減税を実施し、労働者階級を支援する一方で福祉を切り捨てるなど、トランプ氏が掲げる政策は大きな矛盾を抱えている。こうした点は新政権を不安定にさせ、大都市での大衆による抗議行動は、新大統領のプライドを傷つけるだろう。
だがポピュリズムのより危険な部分は、「人民」の声に基づき、カリスマ的な指導者が独裁を行うべきという考え方だ。
そのため極端な政策に抗議するだけではダメで、反対勢力の組織化が必要となる。本来、リベラルな民主主義は、主要政党が有権者の信頼を回復することによってのみ救われる。だからこそ、まずは民主党が主義・主張を超え、一致団結しなければならない。
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