倉本昌弘日本プロゴルフ協会(PGA)会長が2013年に若洲GLでの開催を提言したことや、青木功日本ゴルフツアー機構(JGTO)会長が「パブリックの方がいい」と発言していることなどを「若洲優位」の根拠に挙げたが、青木JGTO会長はそう発言をしていない。倉本PGA会長は1月17日に若洲GL開催について「今のコースのままでは開催は無理。改造する設計者を決め、工事をして、試合も1、2回やらないと。若洲開催はいいと思うが、今はもう遅い」としている。
何が五輪の「レガシー」かは、人それぞれ違う
また、霞ヶ関CCは会員制なので、誰でも自由にゴルフをできるパブリックの若洲GLと違って「レガシーにならない」という指摘もある。五輪のレガシー(遺産)がよく話題になるが、レガシーは1つではないし、箱ものでもなく、五輪に出た人、見た人、手伝った人……関わった人それぞれに「五輪のレガシー」があると思っている。筆者の場合、1972年札幌五輪の開会式に、メイン会場の最寄りの小学校だったことで、風船をもって飛ばすスケーターで参加した。その思い出と記念にもらった鉄製メダルが、今になってみれば一番のレガシー。人それぞれにレガシーがあり「レガシーにならない」と言い切ることはできないと思う。
その他、霞ヶ関CCでは女性の正会員がいない「差別」を行っているなど、改革会議側では指摘しているが、山中JGA専務理事は「霞ヶ関の規約や定款など資料すべてを提出して認められたので、開催は国際公約。五輪仕様のコース、練習場を後世に残すのもレガシー」と話した。ジュニアゴルフの最高峰、日本ジュニア選手権は毎年、霞ヶ関CCで開催されてきた。出場して五輪コースで戦うのがジュニアゴルファーの目標になることも十分「レガシー」といえる。
森発言で蒸し返された形の五輪ゴルフ競技会場問題だが、先のことを考えた方がいいと思う。前出の山中JGA専務理事は「五輪後に1カ月1回でも一般への開放日を作ってもらうなど、これからどうしていくかをお願いしていく」としている。
五輪まで3年。競技方法も含めてそれまでに解決しなければならないこと、五輪後にどうするか、何ができるかなどを考え、交渉する方に力を注ぐ時期だと思う。
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