「逆OB訪問」「逆求人」、就活戦線に異変あり

空前の売り手市場で今年は企業が攻める

また、企業規模にかかわらず、採用活動の早期化が半ば公然と行われている。経団連加盟の大手企業でも、実質的な採用選考活動は6月以前に開始している。「懇談会」「面談会」などと銘打って学生と会う機会をつくったり、インターンシップに参加した学生がエントリーした際、早期に選考を開始したりしている。表だって選考とは言わないものの、実質的には選考だと考えたほうがよい。就職戦線で勝ち抜くためには、こうした企業の採用活動に乗り遅れないようにしたい。

「逆求人」「ダイレクトリクルーティング」というのは、ここ数年普及してきた採用支援の仕組みだ。就職ナビでは、企業が募集要項や自社アピールを掲載して就職活動をする学生がエントリーするのに対し、「逆求人型サイト」では就活生が自分のプロフィールを同サイトに登録、採用企業がそれを検索して応募してほしい学生に、スカウトメールを送って応募を促す。

逆求人型の採用がさらに普及

こうした仕組みはもともとは2010年ごろからキャリア採用で活用されてきたものだ。日本では「ダイレクトリクルーティング」、海外の人事業界では「ダイレクトソーシング」と呼ばれる。従来は人材紹介会社に頼っていた採用を、自社の採用担当者が自社の要件に合った人材を直接呼び込むことで、マッチング精度が上がり、コストメリットも生じることで普及してきた。こうしたキャリア採用の仕組みを新卒にも応用したのが、「逆求人型」「新卒ダイレクトリクルーティング」と呼ばれるサービスだ。

代表的なサイトのひとつに、i-plug社が運営する「OfferBOX(オファーボックス)」がある。2017年卒の就活時期には4万2000人の学生が登録したという。学生にとっての一番のメリットは、エントリーシートの形式に縛られず、自己アピールをできること。大学時代の活動だけでなく、幼少期からどのように成長したのかなど、自分のありのままを自由なスタイルで表現できる。エントリーシートは各企業の形式に合わせて1社ずつ記入しなければならないが、「OfferBOX」では1度登録するだけでよく、さらに就活中に登録内容を書き換えることもできる。

企業がダイレクトリクルーティングを使い始めているのは、採りたい学生が採用できていないという危機感からだ。全国展開をしている企業であっても、説明会は主要都市でしか行えないが、この仕組みでは採用したい地域の学生に直接接触することができる。また機械工学や電気工学といった機電系の学生や、TOEIC800点以上の学生など、欲しい人材要件を満たす学生だけに絞ったアプローチも可能。学生には名が知られていないBtoB企業などは、就職ナビに掲載しても、学生からのエントリーを必要人数集めるのに苦労しているが、企業が学生に直接アプローチすることで、自社を知ってもらうことができるわけだ。

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