また、学生の半数程度が2社以上から内定を得る一方、企業にとっては多くの学生から内定辞退されてしまい、予定の採用人数を確保できず採用選考が長期化してしまった(HR総研「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果)。こうした2017年卒採用での反省から、企業は就職ナビでのエントリーに頼る”待ち”の採用から、採りたい学生がいる大学のキャリアセンターへ直接訪問し、「御校の学生をぜひ弊社に」と応募を働きかける、”攻め”の採用にシフトしてきている。
つまり、大学のキャリアセンターには、「この大学から採用したい」という企業からの求人票が3月1日以前にあるということだ。
水面下で広がる「逆OB・OG訪問」
他にもさまざまな変化がみられる。「2018年卒採用から新しく始めようと考えていること」について自由記述で回答してもらったので、代表的なものを紹介しよう。
・OB・OGの活用(1001人以上、メーカー)
・推薦応募の受け付け(1001人以上、メーカー)
・教授訪問・研究室訪問の拡充(301~1000人、メーカー)
◆早期化
・面接時期を早める(1001人以上、メーカー)
・早期に内定を出す(300人以下、メーカー)
・インターンシップによる早期接触(301~1000人、メーカー)
・インターン生への早期選考開始(300人以下、メーカー)
◆逆求人型の活用
・逆求人型サイトの活用(301~1000人、商社・流通)
・逆求人のより活用(301~1000人、メーカー)
・逆求人の媒体を利用してみたい(300人以下、メーカー)
◆女性採用
・女性向け座談会の開催(1001人以上、情報・通信)
・女性採用のため、就職サイトの女性向けシステムの利用(301~1000人、情報・通信)
◆情報発信・選考方法
・SNSでの情報発信(300人以下、運輸)
・動画のオープン配信(300人以下、メーカー)
・コース別・職種別採用の実施(300人以下、サービス)
・選考学生をタイプ別に分け、タイプに即した選考方法を実施(1001人以上、情報・通信)
OBやOGの活用については、OB・OG訪問を学生から受け付けるのではなく、採用実績のある大学に若手社員を使ってアプローチする「逆OB・OG訪問」の手法が広がっている。クラブやサークルの後輩に対し、口コミでセミナー告知をするなど、公開情報とは違うルートで学生に接触しようとしている。
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