ドラッカーも推奨!会社員こそNPOに入ろう

引退後に「大学教授」になる人も

ビジネスで成功するには、人脈づくりが大切である、といわれる。人脈を増やすコツを説いた本を読みあさり、異業種交流会をハシゴする人たちをよく見掛けるが、高い参加費を払って異業種交流会に出たのに、思ったほど人脈が増えないのは、精神衛生上良くない。しかしNPO活動に参加することに参加料はいらない。人脈は自然に広がるうえに、世のため、人のためになる活動だから、精神的な満足を得られ、一挙両得である。

異なる世界観に触れ、人生観を確立

高度成長期、日本的経営の特徴は、全社員に対して「余計なことは考えないで、1列に並んで全力で走れ!」という経営方針の下、「一社懸命」に働くというものであった。会社は、合理を追求して機能する組織であることを超えて、社員の共同体のような性格を持っていた。会社勤めをするものは、誰しもが「会社どっぷり」の生活であった。

しかし、20世紀最大の経営学者であり実践指導者であったピーター・ドラッカーは、「会社どっぷり」の生活など推奨せず、「充実した人生を送る人は2つ以上の世界を持っている」と主張した。ひとつは本業としての会社の世界、そしてもうひとつはNPO(非営利組織)の世界にかかわることを勧めたのだ。

NPOは、組織の価値観・哲学ともいえるミッションを活動の核に据え、あるべき姿を目指して社会や人間を変革する機関と説いている。そして、ミッションに共感して協働する仲間とのコミュニティがそこにある。

NPO活動に参加すると、多様な人との交流で、自分の属する世界とは異なる世界観に触れることができる。それが自分の人生観にも大きく影響を与えてくれるのである。

私の場合、NPO活動でさまざまな世界観に触れたことで、「結果は数字がすべて」という営業マンどっぷりの考え方を変えることができた。肩書で人を「勝ち組・負け組」と決め付け、所得の高さで人を「上流・下流」と見てしまうような人生観から脱皮することができたのだ。

私は50歳で退職し、独立した。東京・大阪を中心に管理職研修事業を始めた。ビジネスマン時代に出版社の編集者と知り合い、経営書を出版。図らずもその本が話題となり、それがきっかけで、大学の教壇に立つことになった。

研修事業を続けながらも、龍谷大学や大阪商業大学の経営学部教授としてNPO論や企業倫理論を講義し、また研究・教育・実践支援の仕事にかかわる機会をいただくことになった。

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