人手不足で疲弊、もう「外食・小売り」は限界だ バイト時給は過去最高、人件費が業績を圧迫
同社が講じた対応策は、“省人化”を目的とした設備投資だ。昨年6月、東京・武蔵村山市に精肉の加工センターを開設。これにより、店舗で肉を切りパック詰めする作業の多くをセンターに移管し、店舗の人員を好採算の総菜部門に再配置することが可能になった。精肉の粗利率は3割に満たないが、総菜は4割。総菜の売り上げを伸ばし、利益率を改善させていく算段だ。
牛丼チェーンの松屋は、ボタン式券売機からタッチパネル式券売機への入れ替えを進めている。2017年3月末には、全国約1000店で入れ替えを完了させる予定だ。
従来型の券売機ではボタンの数が限られており、客が券を購入した後、従業員が小鉢の種類などを聞く必要があった。一方、タッチパネル式券売機では、「新メニュー導入時の設定作業時間を15分削減」、「小鉢の選択伺い時間を客1人当たり15秒削減」などの効果が見込める。またメニュー表記の多言語化により、外国人客への対応時間も減らせる。
営業時間の短縮で売り上げ減少
人手不足の解消を営業時間短縮で図る事例は、ファミリーレストランで見られる。
すかいらーくはガストやジョナサンを中心に営業時間の見直しに踏み切る。深夜2~5時に営業している987店のうち約8割を、深夜2時閉店、7時開店にしていく。売上高は年間十数億円減少するが、コスト削減で利益への影響は相殺できるという。
外食・小売業界は、出店や営業時間の拡大で薄利多売のビジネスモデルを維持してきたが、人手不足でそれも限界に突き当たっている。抜本的な解決には客単価向上ができるようなメニューやサービスの創出が求められる。
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