英語ができない人は5分刻み学習から始めよ 「今年こそ」三日坊主で終わらせないコツ

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「歩きながら英文を音読してもいい。30~40分の固まりに分けると続けやすい」と『瞬間英作文』シリーズの著者・森沢洋介氏もアドバイスする。森沢氏の英語塾には多くの30~40代ビジネスマンが通うが、「毎日2時間の英語学習を続けて、1~2年後にTOEIC860点レベルになってから卒業する人が多い」と言う。

徐々に勉強時間を増やしていこう(写真:タカス / PIXTA)

三日坊主で終わらせないコツは、「1日30分の勉強でも積み重ねるうちに100時間を超えると戻れなくなる。1日5分でもいいから勉強しない日を作らないこと」と、サッポロビールの大里秀介氏は説く。大里氏は30歳のときに一念発起してTOEICの勉強を開始した。毎朝30分の単語暗記から始めて、徐々に勉強時間を増やしていくうちに「朝3時に起きて、3時半から5時半までを英語学習に充てるようになった」。通勤時間や昼休みも活用し、単語やTOEIC参考書の復習を繰り返した。

その結果、2年後には300点台だったTOEICスコアが900点台まで上昇し、5年後に満点を獲得。2年間のカナダ駐在も経験し、現在はTOEICブロガーとして二足のわらじを履きながら多数の著書を出すまでになっている。

一人で勉強を続ける自信がない人は、他人の力を頼る方法もある。海外赴任レベルの英語力習得を目指す英語塾「トライズ」では1日3時間、1年1000時間の学習を目安としている。専任コンサルタントが付きっきりで進捗を管理するので、サボりたくてもサボれない。「通勤電車でシャドーイング(音声を追いかけながらの英文音読)をするなど、工夫次第で1日3時間は捻出できる」と、トライズを運営するトライオンの三木雄信代表は言い切る。電車内でのシャドーイングは周囲に迷惑をかけそうだが、マスクで口元を覆えば問題ないという。

大学受験とTOEICを外すと勉強法はシンプルになる

英語を学ぶ目的は、人によってさまざまだ。自分なりのゴールを設定すれば、あとは目標に向けて突き進むのみ。オンライン英会話・QQ Englishの藤岡頼光CEOは、「英語学習から大学受験とTOEICを外すと、勉強法はシンプルになる」と指摘する。

藤岡氏は40歳を過ぎてから学習を始めたが、単文暗記とスカイプを使ったオンライン英会話、短期間のフィリピン留学を繰り返すことで会話力を身に付けた。今ではフィリピン人など1000人の外国人スタッフが働くが、「英語の時制を間違えることがあっても仕事に支障はない。交渉時は通訳を入れている」と割り切る。ネイティブでない以上、完璧な英語を目指す必要はないのだ。

忙しいビジネスパーソンだからこそ、英語学習は最小時間で最大効果を発揮したいものだ。今年こそ、速効英語で英語力をアップさせてほしい。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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