なぜ日本は「女性の生産性」が極端に低いのか

男性と「同一労働」をさせる覚悟、する覚悟

私がここで強調したいのは、日本社会の中で、女性に任されている仕事が、そもそも付加価値が低いものが多いのではないかということです。たとえば、銀行の窓口業務を行っているのがほとんど女性行員だという事実からもわかるように、これまで日本企業において女性の潜在能力は明らかに過小評価され、労働力として有効活用されてきませんでした。付加価値の低い仕事を機械化して、足りないと言われている他の仕事で女性に活躍してもらったほうが良いでしょう。

もちろん、女性には結婚や育児というライフイベントがありますので、男性のように組織内で責任を追及されるポジションにつきたくないという人もいるかもしれません。

ただ、それはあくまでひとつの事例にすぎません。前回の記事(日本を「1人あたり」で最低にした犯人は誰か)で指摘したとおり、やはり最大の問題は「経営者の意識」にあるでしょう。日本人女性の収入は、男性の約半分です。他の先進国の女性の収入が男性の約8割ですから、驚くほど少ないと言えます。

女性の生産性を高めるべき3つの理由

ここまで、女性の生産性の低さを指摘してきました。では、なぜ女性の生産性を高める必要があるのでしょうか。それには、大きく分けて3つの理由があります。

第一に、日本は女性にも充実した福祉制度を導入していることです。福祉制度の恩恵を受けるのであれば、それに見合った「貢献」をしていただかないと、理屈に合いません。この福祉制度を男性だけで維持するのは、計算上すでに限界に近づいています。日本にとって、女性の生産性向上は不可欠なのです。女性は男性と同じような福祉制度の恩恵を受けたいならば、男性と同じような負担をすることが求められます

第二の理由は人口減です。福祉制度の負担が増え続ける中、人口増が期待できないなら、生産性向上によってそれをまかなうしかありません。当然ながら、女性の活躍も重要になります。

第三の理由は移民の問題です。現役世代の人口が減る中で、生産性を上げることができなければ、福祉を支えるためには移民を入れるしかありません。しかし、移民にはさまざまな副作用があることは、欧州が証明しています。福祉を諦めるか、外国人を増やすか、女性の生産性を高めるか。選択肢は、この3つしかないのです。

日本でも最近、「女性の活躍の場が大事だ」「保育所を増やせばいい」という言説をよく見かけますが、そういうかけ声や表面的な対策では、この問題は解決できません。かけ声だけで変わるほど甘いものではありませんし、保育所を増やして共働きに出ても、その仕事が付加価値の低いものであれば、日本の生産性はそれほど上がりません。「生産性を上げるために保育所が必要だ」という主張ならばわかりますが、「生産性は上げません、でも、保育所は用意します」ということでしたら、効果は薄いと言わざるをえません。

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