「義理の関係」は気遣いひとつで壊れずに済む 義理の両親の無理な誘いは丁寧に断ろう

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まずは、夫の飲む・打つや不倫、厳しい親と同居して、親の意地悪や我がままに振り回されている、膨大な数の不幸なお嫁さんたちとも比較してください。羊子さんの状況は、「離婚を余儀なくされるほど最悪の状況」ではありません。悩みは、義両親と要領よく付き合う作戦を立てる方が、ずっと賢明な選択だと思います。なにも、「自分より不幸なケースを想像して我慢せよ」と言いたいわけではありません。ただ、一般的な基準で言えば、離婚以外選択肢がないような状況だとは思えないのです。

結婚後初の誕生日にマナー本を送られると、マナー知らずな人間として扱われたと感じる気持ちもわかります。ですが、反応の仕方は賢い方だけがコントロールできるのです。「目から鱗が落ちたことが沢山あり、勉強になりました」と“感謝”を伝えて、一歩上手に器の大きさを見せましょう。

義両親はまた長男夫婦と別居し、娘夫婦と同居しておられます。別居でいくら呼び出されても、難しい親と同居して奪われる自由に比べれば比較になりません。離婚話に進展させるほど、子離れできていない親とは思えません。

結婚でより大きな幸福を得る為には、お互いに、それまでになかった努力や工夫・我慢と妥協も、当然のことながら覚悟されたことと思います。余程でない限り、離婚と結びつけてはいけないのです。羊子さんの場合も、余程ではないケースと見ました。

家族の愛情の流れの、上流を汚してはいけない

無理でない範囲で息子家族と仲良く交流したいと願う親心と子離れ云々は、明確に区別する必要があります。成人して結婚したあなたの子どもさんとあなたの関係を想像してみてください。

義両親があなたを呼び出す理由が、叔母様たちと親しくさせたいとか、孫の顔がみたいということですね。あなたはこれがとても些細な理由だとか、子離れしていない証拠とお考えのようですが、私はとても情の有る、大切なお誘いと受け止めます。

このような機会がある人とない人では、家族間の親しさに雲泥の差が出るもので、後者では下手すると、ゼロの関係にもなるものです。夫君は、木の枝から産まれた人ではなく、あなたが“夫の家族との関係はゼロでも構わない”と考えた時の、彼の立場や心情を察してください。

そして愛情は流れる水のように、まず上から下に流れます。両親からあなた方に、そして子どもさんに流れ、子どもさんから更に広がりを持って流れたり、上流に還元されるのです。この流れの上流が淀むと、大切な子どもさんへの流れも淀みます。よしんばあなたに流れる上流が先に淀んでいても、それを「家族の愛情の流れの上流を浄化する努力」をするべきです。

また子どもを心優しく、たくましく育てたければ、親がまず、視野広く寛大でなければなりません。それは親自身を生きやすくもするものです。

心をもっと大きく持ち、夫君から見てあなたが悉く親からの誘いを断っていると思われているそのラインを、あなたの有利な形に修復することが、最も賢明な選択だと思います。

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