大阪人が最近「東京批判」をしなくなった理由 これからの日本は「遊び」が成長分野になる

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さて、最後はお馴染みの競馬コーナーだ。

2016年末を飾る有馬記念は、逃げるキタサンブラックをサトノダイヤモンドが追って、ゴール前クビ差で破るという白熱のレースだった。1999年のグラスワンダー対スペシャルウィークに匹敵するドラマが誕生した。

筆者は毎年のように、有馬記念には中山競馬場に通っている。いろんな名勝負を見てきて、ここ数年の有馬は変わったなと感じている。昔の中山2500メートルは、2014年のジェンティルドンナや今回の優勝馬のサトノダイヤモンドのような優等生タイプが、あんな風に鮮やかに勝てるコースではなかった。たぶん芝の作り方が変わってきているのであろう。

もともと中山競馬場はトリッキーで泥臭いと言われてきた。確かに府中の方がコースも広いし、会場もきれいだ。しかも中山は客層もあんまり上品ではない。さらに悔しいことに、朝日杯FSを3年前に阪神競馬場に取られ、G1レースが1つ減ってしまった。

中山金杯は「ステゴ産駒」+「ゴッホ産駒」で

そんな中山競馬場が似合うのは、オルフェーヴルやゴールドシップのように個性豊かなステイゴールド(ステゴ)産駒である。ときには期待に背くし、逸走したりもする。でも、勝つときは豪快でファンを痺れさせる。ところが2016年の有馬にはステゴ産駒が1頭も居なかった。時代が変わったのだろうか。寂しさを感じたファンは少なくなかったものと拝察する。

ただしご同輩、いい知らせがある。有馬記念と同じ日に行われた12月25日の中山第7レース、グッドラックHC(2500m)では、ステゴ産駒のステイパーシストとステイブラッシモが1着と3着につけているのだ。ええ、もちろん三連複をゲットしましたとも。「中山の中長距離にはステゴ産駒」の法則は、まだ生きているらしいのだ。

何が言いたいかと言えば、年明け1月5日の中山金杯はステゴ産駒のツクバアズマオーが狙い目だ。もう一頭、中山に強いといえば2007年の有馬を制したマツリダゴッホも忘れ難い。そのゴッホ産駒のマイネルハニーも出走する。年明けはこの2頭から狙ってみよう。

中山競馬場は早春や残暑の時期もいいけれども、やっぱり寒い季節がいちばんよく似合う。有馬で泣いても、年明けの中山金杯で笑おうじゃないか。今年1年のご愛読を感謝するとともに、読者諸兄にとって2017年が良い年となるように祈って、今年最後の寄稿を締めくくりたい。

かんべえ(吉崎 達彦) 双日総合研究所チーフエコノミスト

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Kanbee

吉崎達彦/1960年富山県生まれ。双日総合研究所チーフエコノミスト。かんべえの名前で親しまれるエコノミストで、米国などを中心とする国際問題研究家でもある。一橋大学卒業後、日商岩井入社。米国ブルッキングス研究所客員研究員や、経済同友会代表幹事秘書・調査役などを経て2004年から現職。日銀第28代総裁の速水優氏の懐刀だったことは知る人ぞ知る事実。エコノミストとして活躍するかたわら、テレビ、ラジオのコメンテーターとしてわかりやすい解説には定評がある。また同氏のブログ「溜池通信」は連載500回を超え、米国や国際政治ウォッチャー、株式ストラテジストなども注目する人気サイト。著書に『溜池通信 いかにもこれが経済』(日本経済新聞出版社)、『アメリカの論理』(新潮新書)など多数。競馬での馬券戦略は、大枚をはたかず、本命から中穴を狙うのが基本。的中率はなかなかのもの。

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