「東急ハンズは、ギャラリー目的以外の顧客が毎日来店する。競合サイトが行うリアルイベントよりも多くの人が集まりやすく効果的。そこを強く打ち出して、力を入れて育てていきたい。もともと手作りのための材料・工具なども販売しており、手作りと親和性も高い」と城野氏は意気込みを語る。
全国の地域ごとに特色のあるクリエーターを支援し、手作り品ファンのコミュニティを作ることができるようになる。今後、ネットとリアル店舗のコラボ企画は、年間を通して継続的に強化していく方針だ。
O2O型コミュニティが地域を盛り上げる
ITコマース部の緒方恵氏は、今後、IT技術が進歩し、便利になればなるほど、地方や地域の「ローカル」回帰が進むのではないかと話す。
「たとえば、今、渋谷にいる人が、スマートフォンを使って“母の日ギフト”と検索する。すると、アマゾンのサイトが検索結果に出てくる。だが、位置情報をひもづけて、東急ハンズ渋谷店で開催中の母の日特集のサイトを検索結果に表示してあげれば、O2Oになる。消費者が現在いる場所と密接につながるのが、スマートフォンの力。スマートフォンの登場で、ローカルはより強くなっていく」(緒方氏)。
これまでアプリといえば、リクルート、Yahoo! JAPANなどの全国規模の事業者が提供するものが主流だった。今後は「横浜アプリ」「博多アプリ」のような、地域に根付いたものが中心になると緒方氏は予測する。
緒方氏の言うように、ベンチャー発の位置情報系O2Oアプリは今、ローカルの活性化を強く意識して、サービスを広げている。
もともと東急ハンズのリアル店舗は、地域ごとに商品の品ぞろえが違う。同様のことがネットでも起こる、というのが緒方氏の見方だ。アプリやネット上に地域特有の商品、作品、コンテンツが集まり、地域を盛り上げる。
「地方や地域では“コミュニティ”を生むことができる。たとえば、“横浜アプリ”を基点にいろいろな人がネット上に集まる。そのコミュニティが地域を盛り上げ、規模がだんだん大きくなっていく」(緒方氏)。
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