ネットとリアルのコミュニティ型O2O(オンライン・ツー・オフライン)と言えよう。新しいタイプのO2Oだ。
「プロ・アマを問わず、モノづくりに取り組む人を応援したい。手作り品なので、お客様が手に取ってさわれるリアルの場も必要。ネットのギャラリーを持つことで、リアルのギャラリーがない地域にも裾野を広げることもできる」。東急ハンズITコマース部の城野佐和子氏は話す。
ネットで人気のクリエーターが渋谷店で競演
東急ハンズでは13年5~6月にかけて、ネットのギャラリーで人気のある3人のクリエーターの作品を、渋谷店のギャラリーでも展示販売する企画を実施した。京都在住のバッグ作家、北海道の雑貨作家、神奈川に住む木工雑貨作家の3人だ。
「なかなか渋谷店に出展できない遠方の作家さんを中心に声掛けをした」と城野氏は話す。
地方で活動しているクリエーターにとっては、流行の発信地、渋谷で展示できる絶好の機会。3人とも予想以上の売れ行きや反響で、満足しているという。
個人やアマチュア作家の手作り品を購入できる場があること、アマチュアでもレベルの高い作品がたくさんあることはまだまだ一般には知られていない。来店した消費者からは、「これが全部手作りなのか!」と驚きの声が上がった。
東急ハンズは今後、こうしたネット上で出品中の作品を、実際に手に取って見ることができるイベントを、全国のリアル店舗で展開していく予定だ。ネット上でファンの声を募り、希望のクリエーターの作品を近くのハンズ店舗に展示していく考えだ。常設のギャラリーがない店舗でも、期間限定の展示スペースを設けて対応する。
東急ハンズ以外にも、手作り品を売るネットサービスは、国内だけですでに20サイトほどある。東急ハンズは、全国に実店舗を持つ強みを生かし、競合サイトと差別化していく。
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