緒方氏が“コミュニティ”のヒントとして挙げたのが、クリス・アンダーソンの著作「MAKERS(メイカーズ)」でも取り上げられた「ファブラボ」だ。ファブラボとは、3Dプリンタ、レーザーカッターのような最新の工作機械を備えた一般市民のための工房、および世界各地の工房をつなぐネットワークのこと。
拠点は、全世界で50個所以上に広がり、日本では、神奈川・鎌倉、茨城・つくば、東京・渋谷、大阪・北加賀屋の4カ所にある。モノづくり愛好家のコミュニティがリアルの工房を基点として存在し、ネットがコミュニティを活性化させている。
東急ハンズが力を入れるハンズ・ギャラリー マーケットは、そうした時代の流れに沿っている。ネットとリアル店舗、双方のコミュニティの場を介して、手作り品を愛する人たちが交流し、お互い刺激を与える。ユニークな商品との出会いや発見も促す。
「東急ハンズでは、今後もコミュニケーションに軸足を置くO2Oを行う。顧客とのコミュニケーションの機会、顧客接点をいかに増やすか。どう熟成させていくか。ここが、引き続き大事な部分だ。IT技術の進化がこの領域を加速させるだろう」(緒方氏)。
ハンズ・ギャラリー マーケットは、消費者同士がコミュニケーションをとる場をネットとリアル店舗で同時に提供する。同じ趣味・嗜好を持つ者同士のコミュニティを支える新しいタイプの店舗のあり方と言えるだろう。
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