「英語を聴ける人」がコッソリやってる練習法 今年こそ上達!「ものまねメソッド」のすすめ

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「わからない英語を聞き続けても意味がないなら、日本語訳のついた英語を聞けばいいのでは?」と思われた方もいらっしゃると思いますし、実際、英語が流れたあと、日本語訳を流す教材も市販されています。しかし、このやり方でも英語を聴けるようにはなりません。

セミナーには多くの参加者が集まった(撮影:今井 康一)

なぜなら、このタイプの教材の場合、あとから流れてきた日本語を聞くことにより、英文も「聴きとれた気」になってしまうからです。実際、私はこれまでに数十万人に英語を教えてきましたが、このタイプの教材で英語力が上がったという話は一度も聞いたことがありません

ネイティブの英語を聴き取るために試行錯誤を繰り返した私がたどり着いた結論は、「ネイティブと同じような発音ができるようになれば、ネイティブが発信してくる音も聴き取れる」というものです。

自分の脳内にある音のイメージと、ネイティブの実際に発話する音が一致してくると、その音を正しく認識できるようになり、「聴き取れる→わかる」という体制が整います。逆に、自分の脳内にある音のイメージが、ネイティブが発話する音とズレている、つまり間違った音で認識していると、たとえ知っている表現であっても、反応できなくなります。

これを克服するには、自分もネイティブと完全に同じとは言わないまでも、近いレベルで発音できるようになるのが一番の近道です。自分でも似たような音を発話できるようになれば、正しい音の回路が身についていくので、ネイティブの音に対応できるようになるのです。

このように、発音とリスニング力に密接な相関関係があることに気がついた私は、リスニングが苦手な人には「発音の矯正」を行うようにしました。すると、それまでリスニングに苦しんでいたのがウソのように、急に英語が聴き取れるようになった事例が続出したのです。

発音強化のポイントはひたすらマネること

「発音を直せ!」と言われると、発音記号を思い浮かべる方が少なくないと思いますが、発音記号は読めなくてもかまいません。それより、まずはモノマネ感覚で、ネイティブの音を「忠実にリピート」してみましょう。とにかく音を聞いてマネをしてみるのが一番効果的です。

具体的なマネの方法を説明します。まず、ネイティブが自然なスピードで発話している音声が聞ける素材を用意してください。映画や音楽でもOKですが、これらにはスラングが多用されていたり、きちんとした文になっていないものも含まれているので、あまり強くはお勧めできません。一方、TOEICのリスニングパートはスタンダードな英語が使われているため、最もお勧めできる素材です。

音源が用意できたら、実際音を出して聞きます。その際に絶対に守っていただきたいのが、「文字を一切見ずに、音だけを聞くようにする」ことです。文字を見ながらやると、すべての音が聞こえる気になってしまい、弱点が明確になりません。これはとても重要なポイントなので、ぜひ覚えておいてください。

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