三井住友FG「適材適所トップ人事」の衝撃度 合併15年で初めて旧行バランス崩れる

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高島次期頭取は、11年間の米国勤務を誇る行内切っての国際派。企画部長も務めており、銀行業務全般に明るいとは言うものの、リテール事業や国内法人業務の実務経験はほぼゼロだ。行内評でもトップ候補に挙げる人は少数派だ。

日銀のマイナス金利導入により国内ビジネスの成長頭打ちは明白で、海外事業が大手行のけん引役となっているのは間違いない。銀行単体の海外収益率は4年前の23%から45%に上がっている。

ただ、行内には「国内業務を知らないのに務まるのか」(幹部)との声が出ているのも事実だ。

しかし、16日夕の会見で高島次期頭取は「国内の業務でどれだけグローバルな味付けを出していけるのかが大事だ」と述べ、内なる国際化路線を打ち出した。

他メガにも影響する可能性

三井住友が長年の旧弊からの脱却を図ったことは、三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループなど他メガにも波及する可能性がある。両グループとも、バランス人事のくびきから脱しきれいていない。

「旧行のバランスを保つことで、逆に不要な人事抗争を抑えることができる」と、その効用を強調する声も一部にはある。

しかし、海外業務が拡大の一途をたどり、行員の国籍も多様化。顧客や株主だけでなく、海外の規制当局の視線も厳しさを増す。「内向き論理だけで人事を回して大丈夫か」(別の大手行役員)という懸念も広がっている。

ある大手金融機関の首脳は「三井住友の行く末を、三菱UFJもみずほも固唾(かたず)を飲んで見守っているだろう」と話している。

 

(布施太郎 編集:田巻一彦)

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