「能率協会」の母親向け手帳が売れている理由 手帳の売れ行きランキング上位を独占
今、もっとも手帳を活用しているのが誰かご存じだろうか。実は、育児と仕事を兼業する“ワーママ”たちであるらしい。
「能率手帳」で知られる能率協会のママ向け手帳が、2012年の発売以来、4年間で226万冊を売り上げている。特徴は、家族のためのスケジュールページが設けられていること。また、家族の人数、用途などさまざまなニーズに対応できるよう、レイアウトやサイズのバリエーションを8種類用意していることだ。この「ママ向け手帳」とは、同社の女性向け手帳ブランド「PAGEM(ペイジェム)」のひとつで、「ファミリーマンスリー」というジャンルで売り出されている。
累計226万冊という数字は業界でも異例だという。どれぐらい売れれば「ヒット」であり「異例」と言えるのかは、門外漢にはわからないが、能率協会グループで手帳事業を担う日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)によれば、「社内の2015年11月の売り上げランキングでは、上位5位はママ向け手帳が独占しています。また大手取次が2016年9月から11月に採った月販集計でも、1000点以上ある出版社系手帳のうち、1位から3位をペイジェムが占めています」(日本能率協会マネジメントセンター NPB事業本部PAGEM企画部長 潮村麻里子氏)とのこと。
もっとも、潮村氏によれば、男性と女性では手帳の購入の仕方に差があり、「女性は気に入ればすぐ買うが、男性は決まったものを12月に買う人が多い」とのこと。12月の集計ではまた違う結果が出てくるかもしれない。しかし、同社の看板商品「NOLTY(旧能率手帳)」をもしのぐ勢いで売れているということは間違いない。
なぜ今、このママ向け手帳がそれほど売れているのだろうか。
配布用として作られた「能率手帳」
まず、日本能率協会と「能率手帳」の歴史から説明して行こう。日本能率協会は1942年に発足した、マネジメント(生産管理)の調査や研究、人材育成などを行う協会だ。中核事業である手帳事業、出版事業、通信教育などの人材育成支援事業は、1991年に設立されたJMAMが担っている。
日本で初めて時間目盛りを取り入れた「能率手帳」が誕生したのは1949年。もともとは会員企業への配布用に作られたが、予想以上に好評だったため、1958年に市販されるようになった。
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