「能率協会」の母親向け手帳が売れている理由

手帳の売れ行きランキング上位を独占

このように、70年の歴史に新しい着想が組み合わさることで、ヒットが生まれたと言えるだろう。また、潮村氏を中心とする女性の企画チームが、社内の復職者にモニタリングしながら細やかに作り込んでいったことも勝因だった。発売後もユーザーの意見を取り入れながら、毎年、マイナーチェンジを行っている。

社内の改革にもつながった

日本能率協会マネジメントセンター NPB事業本部PAGEM企画部長 潮村麻里子氏(写真:編集部)

実はPAGEMは、先述した「女性向けビジネス手帳」の流れを受け継ぐもので、「ページにGEM(宝石)のようなかけがえのない毎日を記してほしい」との意図があるブランド名もそのまま使った。女性の、手帳に対する細やかな感性を取り入れようとする、同社の姿勢がよく表現されている。

「女性は手帳に対するモチベーションが高いと感じます。また、単に予定を書き込むだけのものというよりは、手帳で自分の軌跡を確かめる、というような側面もあります。過去の手帳を何年間分も取っておく女性もいます」(潮村氏)

ママ向け手帳の企画・発売は、社内の改革にもつながった。たとえば、これまでは「手帳企画部」としてひとつにまとめられていたが、現在ではNOLTYとPAGEM、それぞれ専門の部ができたという。また、より使い勝手を高めるために、ユーザーとの座談会や試作評価会を開くなど、ユーザーとのコミュニケーションを図ることが多くなった。将来的には、ソーシャルメディアなどを使って、ユーザー同士で手帳について語り合えるツールもつくりたいという。

これからの課題は、新しい分野であるママ向け手帳がロングセラーとして育つかどうか。そのための取り組みを、同社では今まさに始めたところだ。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 住みよさランキング
  • 「米国会社四季報」で読み解くアメリカ優良企業
  • 内田衛の日々是投資
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
頭脳争奪<br>中国が仕掛ける大学戦争

国の未来を左右するのは優れた頭脳。大国化した中国は今、その受け皿となる世界トップレベルの大学をつくることに驀進中だ。1つの象徴が深圳(しんせん)の南方科技大学。教育強国となった中国の戦略と、受けて立つ日本の危機感が浮き彫りに。