企業の規模を示す一つの目安として連結子会社数が挙げられる。親会社が経営の実質的な支配権を持つ連結子会社は、連結決算上でも収益が反映される。連結子会社を多く抱えている企業は収益規模が大きく、事業領域が広いケースが多い。
では、実際に連結子会社が多いのはどんな会社か。東洋経済オンラインは上場企業の直近の有価証券報告書を基に、連結子会社数を独自調査。その数が多い順に上位500社のランキングを作成した。連結ベースの売上高と従業員数も併載した。
社名横のIとSは日本基準以外の会計基準を導入している企業で、I=IFRS(国際会計基準)、S=SEC(米国会計基準)を示す。会計基準により、連結子会社の数え方が違うので、注意が必要だ。国際会計基準では、持ち株比率が50%に満たなくても、潜在的な議決権を実質的に保有している場合は連結子会社に含む。また、非連結子会社という考え方がないために、50%以上の株式を保有していればすべての会社を連結子会社に数える。
ランキングの上位には日本を代表する大企業が並んだ。1位になったのは昨年に続いてソニーの1297社。ソニー生命やソニー銀行などを傘下に持つソニーフィナンシャルホールディングスや、カメラに使用される半導体、イメージセンサを製造するソニーセミコンダクタなど、有力な連結子会社があることで知られる。
日立製作所が1056社で昨年と同じく2位に続いた。「この木、なんの木、気になる木♪」の歌とともに、エンドロール形式でたくさんの企業名が流れるテレビCMのイメージから、日立製作所のグループ企業がたくさんあるというイメージを持っている人も少なくないだろう。
ただし、直近では事業範囲の見直しを積極的に行なっている。ランキングを作成した2016年3月31日以降にも、2016年5月19日付で日立物流の株式を一部譲渡して持分法適用会社化するなど、連結子会社の見直しも行っている。
総合商社も子会社数が多い
様々な事業を有することで知られる総合商社だが、ランキング4位の三菱商事を筆頭に、ベスト10に総合商社が4社ランクインした。三菱商事の連結子会社には専門商社の三菱食品やメタルワンが含まれ、関連会社まで範囲を広げると、ライフコーポレーションやローソン、千代田化工建設も含まれる。
総合商社は就職活動でも大人気だが、連結子会社の専門商社は業績も比較的安定していて、親会社と同等の福利厚生を受けられる会社もある。人気の商社を志望する就活生であれば、こうした企業を志望先の一つとして検討するのもいいだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら