日本人は「人口急減の恐怖」を直視するべきだ 高齢者と若者の溝は、ますます深まっていく

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木本:厳しい話ですね。若者たちの意見は結果として反映されない、と。

森田:高齢者が生活するための原資は若い人にまかなってもらう、ということになるでしょう。これは、民主主義のルールでやっているかぎり簡単には解決しない問題です。

まずは「今は一時的な右肩下がり。また上がるんじゃないか」という発想を捨てないといけません。失われた10年とよく言いますが、この言い方だと失ったものを取り戻せるように思うでしょうが、取り戻すことはできません。したがって、新しい局面におけるベストの解は何なのか、という未来を向いた発想をしなければダメです。

木本:日本はなんでこんな大変なことになってしまったのでしょうか。

森田:これは日本だけの問題ではありません。世界中で起こっている問題です。

アジア各国が急速に高齢化する

木本:高齢化に迅速に対応できている国はあるんですか。

森田:ヨーロッパは「人口ボーナス」が比較的緩やかなものだったため、対応する余裕がありました。しかし、それが社会保障政策などの政策的努力の産物かどうかはわかりません。でも、日本をはじめとするアジアの場合は人口ボーナスが大きかっただけにインパクトが大きいのです。

木本:お手本にできる国がないなら、独自で道を見つけるしかないですね。

森田:2040年以降、日本の場合には高齢化率が40%に近づきます。100人のうち36人が65歳以上になりますが、そんな国は歴史上存在しません。どうするかを自分たちで考えていかざるを得ない。

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