AirbnbツアーサービスをLAで体験してみた 「民泊+ユニーク」が映した風景

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このトリップをプロデュースしたヒラリーは、地元のフードジャーナリストだ。「母があまり料理に興味がなかったことの反動かしら、美味しいものを発見して伝えることを仕事にしたの」と自己紹介してくれた。彼女にはいま、新しい肩書きが加わっている──Airbnbで自分の専門知識を紹介する「ホスト」だ。

ヒラリーのプラン

左から、「豆腐ロール」を振る舞ってくれたグエン、ソムリエのアンソニー、LAっ子でフード・ジャーナリストのヒラリー。

ヒラリーが計画したトリップ「エキスパート・テイスト」は、3日かけてロサンゼルスの「食の流行」を体験できるツアーだ。1日目は「チャイナタウン・アフター・ダーク」と題して、まだ世間には知られていないオーガニック・ワインとともにフィリピン系シェフ、アルヴィンの料理を楽しむ。このテーマは、スチュアート・ペイトン監督作品「黄昏のチャイナタウン」(1931年)の原題を借りているのだろう。

2日目はキッチンに入り、アルヴィンが考案した新しいレシピの調理過程を見学。最終日はアルヴィンが手がけるフィリピンの伝統料理を楽しむというプログラムだ。1日あたり3時間のコースで、長時間拘束されることもない。

ダイジェスト版ではアルヴィンの調理を見学できるのが目玉だった。グエンの「豆腐ボール」と、同じモールに入っているレストラン「ハウリン・レイズ」のナッシュビル風スパイシーチキンを食べたのち、アルヴィンのいるキッチンに入る。アルヴィンは見事な魚を前に立って出迎えてくれた。

キッチンでは調理の手順やポイントの簡単な説明がある。この日のメニューは「ポンパーノ」という魚を使った同名の料理。フロリダでとれる魚で、アルヴィンの父が市場で仕入れてきたという。

魚に切れ目を入れて、上から塩をパラパラと降り注ぐ。「かけすぎのように見えるかもしれないけど、これぐらいがちょうどいいんだ」とアルヴィンは魚を見つめながらいう。次に、にんにくとカラマンシーが入った特製ソース、米酢をミキサーにかけ、最後に大量のバターを入れた。これをたっぷりと魚にまぶして、熱した鉄板の上に置く。ジュワーという音とともに真っ白な煙が立ち始めたら、バターと柑橘、酢が混ざった、なんともいえないいい匂いがしてくる。

「最初は皮を下にして魚を置くんだ。(魚を)ひっくり返さなきゃって思うかもしれないけど、タイミングは魚が教えてくれるよ」

「煙を見ると昔、父が魚を焼いていた光景を思い出すんだ」

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