AirbnbツアーサービスをLAで体験してみた 「民泊+ユニーク」が映した風景

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ヒラリーはいま、そんなアルヴィンと料理のコンセプトやレシピをまとめた書籍を作るプロジェクトを進めている。2日目の新しいレシピを試す体験では、参加者からのフィードバックにも期待しているという。

ヒラリーがプランニングしたトリップは、3日間の体験で320ドル。筆者が参加した時点でまだ3回目ということで、「参加者の反応を見ながらプログラムを変えていこうかな」とリラックスした顔で言っていた。

お腹がいっぱいになった後で、ヒラリーに近所でお勧めのカフェを聞いてみた。「コーヒー?」というヒラリーに、「どちらかというとお茶派」と答える。さすがはフードライターで、次のアポイントとの中間にある素敵なティーハウスを教えてくれた。

いつもの景色が変わった

今までありそうでなかったAirbnbのトリップ。今回体験したのはグルメ分野だったが、ロサンゼルスにはフード&ドリンクだけでなく、「ウォータースポーツ」に「アクティング」、そして「キャスティング」などが揃っている。数時間で終わるものから、数日をかけて体験するものもある。もちろん、トリップはロサンゼルスだけでなく、東京やパリ、ロンドンなど世界12都市から検索することができる。

Airbnbの共同創業者でCEO(最高経営責任者)を務めるブライアン・チェスキー氏はトリップを発表する場で、「旅行者は孤独で、アウトサイダーで、地元の人がしないことをする」と言っていたが、なるほど、ヒラリーのトリップを経験しなければ、チャイナタウンの古いモールで新世代のシェフたちが新しい味と事業を興そうとしていることを知ることはなかっただろう。それぞれのバックグラウンドを持ってシェフになったアルヴィンやグエンの人生を垣間見ることもなかった。「母は料理が苦手で……」と言うヒラリーに自分の家族を重ねることもなかっただろう。それは、様々な国の人たちと接したアルヴィンやヒラリーにとっても、同じかもしれない。

そんなことを考えながら、Uberで次の目的地へと向かう。車窓から見えるロサンゼルスの街が、いつもと少し違って見えた。

(文・末岡洋子)

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