株が上がっても、不動産投信はダメな理由 勝ち負けがハッキリ、選別が重要に

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優良物件は取得競争の激化で価格が高騰、REITの成長に暗雲が立ち込めている(撮影:今井康一)

JーREIT(日本版不動産投資信託)が、“トランプラリー”の蚊帳の外に置かれている。

ドナルド・トランプ氏の米国大統領選挙勝利を受けて日本株が反転上昇に転じる中、東証REIT指数の下落トレンドは継続。

同指数は、今年4月に平均利回りが3%に近づいたことで割高感から下落トレンド入り。さらに足元で長期金利が上昇し、調達コストの増加が嫌気されて下げに拍車がかかった。

中でも厳しいのが商業施設やホテルを保有するREITだ。今年7月、森トラスト総合リートは、イトーヨーカ堂新浦安店の撤退を発表し、投資口価格は下落した。同REITの足元の分配金利回りは4.5%。全REIT平均の3.8%より高いのは、投資家が将来的な投資口価格の下落リスクが高いと見て、それだけ高い利回りを要求していることを示している。

新規上場銘柄も厳しい

さらに厳しい評価を下されているのはホテル主体REITのインヴィンシブルで、分配金利回りは5.7%。中国人観光客の増加による収益拡大が見込まれたが、その後、需要が落ち着き、過剰な期待が剥げ落ちた。

市況の低迷は、新規上場銘柄にも波及。今年上場した6銘柄のうち、4銘柄の投資口価格が発行価格を下回っている。

4月に上場した、スターアジア不動産の分配金利回りは実に6.4%。(REITの運用会社の大株主である)スポンサーがスターアジアグループという知名度の低い外資系企業であることや、保有物件の魅力にも乏しく将来期待を訴求できていないことが低迷の原因だ。

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