森トラストの次期社長・伊達美和子氏の素顔 森ビルとも協業、株式上場にも柔軟姿勢か

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男社会の不動産業界で伊達氏は輝きを放つことができるか(撮影:今井康一)

「40代で女性でしょ。希少価値があって、むしろやりやすいんじゃないかな。今の日本の経済界においてはプラスになりますよ」

不動産大手・森トラストの森章社長(79)は、6月下旬の株主総会を経て、長女の伊達美和子氏(44)に社長を交代する方針を表明した。森社長自身は代表権のある会長へと就任する。

ホテル事業を引っ張ってきた伊達氏

森社長の言葉どおり、旧態依然の男社会が続く不動産業界において、伊達氏の存在は異彩を放っている。近年は、ホテル・リゾート運営子会社の社長として、手腕を発揮。米マリオットホテルなど、世界的なブランドホテルの誘致も次々に実現した。

2016年3月期のホテル事業の売上高は280億円と、この2年間で約4割伸びる見込み。伊達氏は2月の本誌インタビューで「米国の宿泊サービスの業界規模は自動車産業と同程度。日本も可能性があるのだから拡大していくべき」と述べた。近々上場を計画するホテル特化型REIT(不動産投資信託)も伊達氏の肝いり案件だ。

伊達氏は大学院で都市計画を学んでおり、専門領域は開発分野。国家戦略特区の認定取得など、行政対応も担当する。かつて森社長は森ビルとの協業の可能性について、「私の時代ではなく次世代の経営者次第だが、互いに事業提携する可能性もあろう」と本誌に語ったことがある。

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