現4年生の就活は、選考/内々定出しが8月から6月へと前倒しされた初年度。学生も大学の就職支援も、3月1日解禁後の短期決戦に対し準備が間に合わないなど、混乱が少なからず見られました。
また、学生の皆さんにはなかなかわかりにくいかもしれませんが、この開始時期のガイドラインは罰則規定のない、いわば紳士協定。いつ自社の採用広報活動を開始するのか、いつから採用選考の面接を始めるのか、最終的には個別企業の判断に委ねられているのです。実際にベンチャー企業や外資系企業などでは、かなり前倒しでスタートする場合もあります。そうした企業の動きに照準を合わせて、すでに就活を始めている学生が一定数いるのも事実です。
対策セミナーは3種類ある
今後、大学での就職支援で展開されるのは、より具体的な選考対策になってきます。特に多いのは3つの対策セミナーです。①業界研究系の対策セミナー、②ESや履歴書などの対策セミナー、③SPIなど適性検査向けの対策セミナーの3つです。
①業界研究系セミナー
今年の傾向として増えているのが、各業界で働く大学のOBやOGを招いて行われる、業界セミナーです。大学も積極的に企業研究や業界研究に協力してくれる企業を開拓しています。実は、私どものところには、企業から大学のこうしたセミナーに参加するためにはどうしたらよいか?と、内々の打診があることもあります。学生の皆さんは積極的に参加することで、興味が持てる業界や職種を知るチャンスにもなります。
②ESや履歴書の対象セミナー
ESや履歴書などのセミナーでみられる大きな変化は、2017年卒の経験を踏まえた「締め切り意識」の高まりです。例えば、〇月までは企業研究を集中的に進めよう、ESを書く前にまず〇月までに自己分析を終えよう、3月1日の解禁と同時にESと履歴書を書いて出せる準備をしておこうなど、期限を明確に切ったプログラムを組んでいる大学もあります。
実際に学生が履歴書を書き、キャリアセンターに持参すれば、指導が受けられるような予約を受け付けている大学もあります。以前は、ESとは何か、自己分析がなぜ必要かなど、概念的な説明が中心でした。これがさらに踏み込んだ行動支援という形をとり、プロのキャリアカウンセラーや元企業人事など、採用実務経験者を配置しているケースもあります。
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