中山秀征の「相手に華を持たせまくる」仕事術 「DAISUKI!」で知った最強のポジション

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中山 秀征(なかやま ひでゆき)/1967年群馬県生まれ。松野大介とのコンビ「ABブラザーズ」でデビュー。コンビ解消後1992年より「DAISUKI!」(日本テレビ系)の2代目MCとなる。以後「ウチくる!?」(フジテレビ系)や「おもいっきりDON!」「シューイチ」(共に日本テレビ系)など、多くの番組のMCを務めるほか、俳優、ラジオパーソナリティなど多方面で活躍中。私生活では元宝塚の白城あやかとの間に4人の子どもを持つパパとしても知られる。ワタナベエンターテインメント所属。中山秀征Facebook

中山:模索していました。当時は、レポーターとして評判がよければスタジオに呼んでもらって、その次はスタジオからロケに行って、そこからアシスタントというステップでした。今は「MCを目指しています」と、はっきり言う時代ですが、当時はそんな人は誰もいなかった。司会者は、進行に沿って人に聞く役で、アナウンサーがやるのが当たり前でした。

三枝:司会業がちゃんといましたね。局のアナウンサーとか小川宏さんとか。芸人は芸をやる人で、「素」でしゃべる機会はなかったですから。ところで、僕の印象だと、中山さんが若い頃に、上岡龍太郎さんの番組でMCの資質を学んだことが大きいと感じています。ご自身はどのような影響を受けましたか?

中山:「上岡龍太郎にはダマされないぞ!」というお昼の番組でのことですね。上岡さんの話術は天下一品で、どんな話題でも得意不得意を見せない知識の量がすごかった。政治もスポーツもご自身の世界観でぜんぶ斬られていたので、間近に見て迫力がありました。関西人独特のリズムは、僕にはないもので、上岡さんも紳助(島田紳助)さんもそうでしたが、それは勉強になりました。

三枝:上岡さんは何よりも品がありましたね。下品な話をするけれども、品があるように見せるテクニックがすごい。

中山:上岡さんから、面白いって必ずしも爆笑ではないことに気づかされました。

話の枕や引き出しの多さが大事

三枝:上岡さんのスキルを自分のものにした部分はありますか?

中山:番組への入り方ですね。オープニングで何かをつかむときに、上岡さんのひと言目がすごく良くて。昨日起きたこと、あるいは今日起きたばかりの「象徴的な出来事」を入れるのが抜群でした。

三枝:噺の枕の重要性ですね。手練れの落語家は枕で観客の気持ちをつかむのが上手ですが、MCもその才能は必要だと思います。もちろん、ビジネスの場でも、潤滑油としての話の枕や、引き出しの多さはとても大事で、それによって商談がスムーズにいくことも多いですからね。

中山:上岡さんは、上手な枕の後に、すぐ本題に入ります。そこは、僕も大いに意識しています。毎週日曜日の朝に放送している「シューイチ」のような生番組の場合は特にね。できれば早く本題にいきたい。

三枝:そこはコーナー終わり方でも同じですよね。

中山:今のMCはとりとめなく終わらせることも多いですが、僕にはそれができなくて、たとえ途中がこけていたとしても、なんとか上手に着地したい。

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