世界から「特別扱い」される人が育つ仕組み スタンフォードでは、仕組みを作って合理的に褒める(後編)

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外の世界で褒められてきた人を、仲間内でも褒める

まず驚いたのが、発表の仕方だ。

この賞を主催するのはスローン財団という団体なのだけれど、賞のお知らせと受賞者リストを、ニューヨークタイムズに、まるまる1ページの広告を出して、発表する。おかげさまで僕もアメリカの新聞にデビューだ(たくさんいる受賞者のリストのなかにちょこんと名前が載っているだけですが)。

で、これも今回受賞したおかげで初めて知ったのだけれど、我が校では毎年、その年に何かしらの良い賞を受けた教員たちを学長の家に集めて、ちょっとしたパーティを開く。

外で褒められてきた教員を、学長みずから褒めてやれ、というわけだ。パーティ業者が入って、ワインやら立食用のおつまみやらをサーブして回る、大学ぐるみの褒めイベントだ。

下の写真のとおり、スタンフォード大学所属の受賞者と受賞内容のリストまで作ってしまう、そんな力の入れよう。

著者撮影:これが配られる

ただ、今年はノーベル賞を取った経済学部同僚のアルヴィン・ロス先生だとか、ほかにもどうやら偉い人たちが集まってくるようで、ちょっと気後れがしてしまった。

それに、賞をもらったのを褒められに行くっていうのが、なんとなく「粋」じゃあないような気もする。僕は、欠席の返事をした。

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