保険の「建て前」に人はこうしてだまされる 「誰から買うか」をもっと考慮するべきだ

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筆者も保険会社に勤めていましたが、営業担当者には、以下の2タイプの場合が多いと思います。それぞれ気をつけるべき点があります。

① GNP営業タイプ

GNPは、義理・人情・プレゼントの頭文字。日系のセールスレディによく見られ、パッケージ型商品を勧めるという特徴があります。基本的にはライフプラン等に関するアドバイスや提案などはしません。アドバイス・提案を行うための知識や経験が不足しているケースもあります。

そこで登場するのが「私から買ってください」という義理・人情に訴えるお願いや、ちょっとしたプレゼントを渡して加入してもらうという作戦です。

加入者としては、プレゼントよりも自分に合った商品を選んでもらうことのほうがはるかに重要です。その提案スキルがないGNP営業タイプの担当者にあたってしまうと、加入後のケアが放ったらかしになる可能性があります。

しかし、こういった販売方法になってしまうことの原因は、個人ではなく会社に問題があるのです。成果を出せない場合には上司との関係が悪化し、その結果会社での居場所がなくなり退職をしてしまう人もなかにはいます。また、各個人には大きなノルマが課されており、収入は業績連動の要素もあり、売らなければ生活ができないという状況にあります。

名の知れた大企業の営業担当者だから安心、とも限りません。大企業で契約者もたくさん抱えているだけに、入社していきなり数百人を担当させられることはよくあります。にもかかわらずノルマはしっかりあったりするので、保険の知識をきちんと身に付ける余裕はなかなかありません。

それに加えて提案書の印刷代や、上記のようなプレゼント代は基本的に自分持ちです。自分の生活を守るためにも効率良く売らなければなりません。そのために、「保険の知識」は後回しになり、どうしても「売り方」を重点的に身に付けてしまう構造になってしまっているのです。

外資系営業に多いこのタイプ

② 情熱系営業タイプ

このタイプは外資系保険会社の男性営業マンによく見られます。パリッとしたスーツを着ていて、「私に任せてください」「私が勧める商品ならお客様を守れます」と情熱的に加入を勧めるのが特徴です。この人たちは飲み会や経営者向けの勉強会、タワーマンションなどで開かれるパーティやゴルフイベントなどによく出没して顧客を探しています。

保険の販売という本業の枠を超え、多くの経営者へビジネスマッチングの機会を与えたり、自己啓発的な勉強会などを主催し、保険販売への付加価値を高めるすご腕営業マンもいます。

転職組が多いのも特徴です。外資系は日系企業と比べて能力主義の色合いが濃く、収入のほとんどが歩合(契約数に応じて増える仕組み)です。入社後2年間は一定額の固定給が保証されますが、3年目以降は完全歩合となり、契約が取れずに解雇される人や、歩合が少なく、食べられないために辞めていく人がたくさんいます。

見た目の印象が良くても、「私に任せてください」という言葉を心強く感じたとしても、場合によっては2、3年後にはいなくなってしまうかもしれません。その結果、ハガキ1枚で担当者の変更が通知され、加入後のフォロー、ケアが放ったらかしになる可能性があるのです。

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