東大は滑り止め?海外目指すあの高校とは? 注目される、中高一貫校の新勢力
とりわけ近年、注目されているのが、渋幕である。東大合格者数は、11年34人、12年49人、13年61人と、毎年うなぎ登り。医学部も68人と多く、特に地元の千葉大学医学部は指定席で、生徒にも医者の息子が多いという。
注目すべきは海外大学への進学だ。渋幕では米ハーバード大学や米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に、渋渋でも米ボストン大学などに生徒を送り出した。
「海外トップ大学は、TOFFLiBTにおいても、120点満点中、3桁=100点レベルの語学力を要求してくる」。渋幕・渋渋両校の校長である田村哲夫理事長はそう分析する。
渋幕の場合、全生徒に占める帰国子女の比率は8%だが、語学のレベルは高い。ただ、中学に入ってから勉強する生徒も、もちろん多い。帰国生と一般生は、英語以外の授業は同じ。英語の授業は週6時間だが、一般生でも中高6年間で必死に勉強し、相当レベルにまで実力を引き上げる。第二外国語(希望者のみ)や英米カナダなどへの長期留学、中国への修学旅行など、国際教育関連の行事も満載なのだ。
私立・公立ともに「中高一貫校」人気
新興勢力の渋谷教育学園に象徴されるように、改めて評価されているのが、中高一貫高ならではの学習プログラムである。高校入試を経ないため、6年間かけてじっくり勉強できる優位性を、フルに使っている。さらにはここ数年、めざましい勢いで伸びているのが、公立の中高一貫高だ。
東京都が初めて都立の中高一貫高を開校したのが05年のこと。6年後の11年になって初めて1期生が卒業した。さっそく11年に白鷗が、12年には小石川、両国、桜修館などが、1期生から東大合格実績を生み出している。
さいたま市立浦和中学校・高等学校もその1つだ。もともと高校のみだったが、07年に同じ敷地内に中学校を併設して誕生した。同校は学業と課外活動との両立がモットー。サッカー部は全国大会で8回優勝する一方で、インターアクト部が世界学生英語(ディベート)大会に日本代表で出場するなど、部活動が活発である。13年は東大に1人、早稲田大学・慶應義塾大学に68人合格させている。
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