東芝、新トップが挑む“3つの課題"

田中久雄社長ロングインタビュー

――在任中に過去最高の売上高を目指すのですか。

やりたいですね。応援して下さい。過去最高の売上高はリーマン前の07年度の7兆6680億円です。私が社長を何年やるか次第ですが、2年でクビになると難しいですね。当社の直近2~3年は、つねに売上高も利益も公表数字を下回って未達という非常に申し訳ない結果に陥っています。今年度の13年度予算は必ず達成したい。

――東芝がベンチマークにしている企業は?

東芝にはいろいろな事業があり、それぞれベンチマークがあります。全体となると、広範囲に事業をやっている会社はあまりないですね。たとえば国内で近いところでは日立製作所がいますが、それでも彼らにデジタルプロダクツやPOS事業はないですよね。われわれはセグメントごとにベンチマーク先を変えて、そこと当社をグローバルベースで比べています。

――東芝の原子力事業は、今後はどう考えていますか。

原子力発電事業は、3.11後に一部を除いて止まっている状況です。現在、取り組んでいることは、まずは福島第一原子力発電所を安定させること。3.11以降、継続的に作業を進めていますが、これは全力を挙げて進めていくことに変わりありません。それ以外の国内の原子力については、実際に再稼働されるかどうかは基本的に各事業会社、電力会社、政府あるいは原子力規制委員会が話し合うことで、われわれが話すことはできません。

現在は作業を一緒にやらせていただいていますが、安全性の向上、たとえばベント装置を付けるとか、さまざまな二重三重の安全設備は全力を挙げて取り組んでいます。

海外では従来から原子力発電に消極的なドイツが原子力をやめると表明していますが、それ以外の推進国は変わっておりません。われわれは受注を目指し、すでに米国で4基、中国で4基建設を進めていますが、それ以外の国や地域での受注を目指してフィンランドやチェコスロバキア、ポーランド、さらにアジアや中近東の国々で鋭意活動していきたい。

――火力発電事業では、14年1月に三菱重工業と日立製作所が事業統合することで、大きく勢力図が変わります。東芝は米ゼネラル・エレクトリック(GE)と新会社を設立する予定ですが、今後の関係は?

福島原発事故を受けて、国内では火力発電所の整備やお手伝いをさせていただいています。シェールガスが非常に安く手に入ることも大きい。海外でもインドなどの新興経済国で力を入れており、実際にビジネスを展開しています。

一方で、それでも原子力発電は十分にコスト力があります。もうひとつ大きいのは地球温暖化の要因とされるCO2(二酸化炭素)排出量の削減です。確かにLNGのほうが石炭よりも排出量は低いですが、原子力はもっと排出しません。CO2の議論は一時ほど活発にされていませんが、長期的に見ると地球温暖化やCO2排出は必ず大きな問題になります。

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