東芝、新トップが挑む“3つの課題" 田中久雄社長ロングインタビュー

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CCS(CO2回収・貯留)技術も開発していますが、火力だけでなく水力、再生可能エネルギー、地熱、原子力などベストミックスで進んでいくのではないでしょうか。再生可能エネルギーはコストが高いし、原子力はコストが安い。安全性では火力、原子力も安全性はかなり高まっていますが、それぞれ一長一短がある。

GEとは、コンバインドサイクル発電システム分野で戦略提携関係の構築に向けて議論しており、明確な形でコラボレーションを全世界で分担、あるいは相互補完を進めて明確にさせていただこうと思っています。

――半導体事業を切り離す日本の電機メーカーもありますが、東芝は半導体事業をどう位置づけていますか。

他社については、私がどうこう言えませんが、東芝の場合、ディスクリートからシステムLSI、イメージセンサ、NANDフラッシュメモリの領域を持っています。これは従来どおり続けていくと思っています。

システムLSIは、業績が苦しく厳しい時期がありました。これはファブライト、ファブレスという形を打ち出し、外部委託生産を活用することで負担を軽くしたため、前期黒字化を達成できました。今後も大きな利益を生まないと思いますが、今の体制で進めていきたいなと。他社と一緒になるかと聞かれても、まったく白紙ですし、今のところ一切ありません。

確かに他社は事業統合する動きがありますが(記者注:富士通とパナソニックはシステムLSI事業の設計部門の統合交渉中)、弱いところと弱いところがくっついて強くなるという幻想はありえない。強い者同士ならシナジーが生まれてプラスになることはありますが。どういう状況になっても事業を強くしてプラスにするのが最大の使命です。東芝は自分たちで形を作り上げたので、今のところはいっさい考えておりません。

もうひとつ、NANDフラッシュメモリは継続的に大きな投資を実施する必要があります。変動が非常に大きいビジネスで、昨年7月に減産したばかりかと思えば、現在は非常に好調です。NANDフラッシュメモリは微細化投資をつねに続けなければコスト競争力が出てこないので、ある程度のコンスタントな投資は必要と思っています。つねに他社よりも微細化で最先端を走り、コスト力をつけて変動を小さくしながら事業を続けていきます。

(撮影:梅谷 秀司)

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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