東芝の社長交代、絡み合う思惑 西田会長が留任、佐々木氏は新設の副会長に
東芝は2月26日、佐々木則夫(63)社長が新設する副会長に就き、後任に田中久雄副社長(62)が昇格する人事を発表した。6月下旬に開催する定時株主総会を経て就任する。西田厚聰(69)会長は留任する。
東芝は4年サイクルでの社長交代が恒例となっており、佐々木社長も「自分の社長就任会見の時、4年間で結果を出せるようにしたいと答えた覚えがある」とコメントしたほど。今回の社長交代は既定路線だが、意外な点が2つある。
田中新社長は資材部門出身
1つ目は、新社長となる田中氏の経歴だ。パソコンの資材調達や生産を担当し、英国、米国、フィリピンと、海外駐在経験は延べ14年と歴代社長の中でもっとも長い。従業員20万人のうち半分が外国で働いている東芝にとって、田中氏の豊富な海外経験が高く評価されたことは納得できる。副社長に就任後は、戦略企画を担当しグループ全体を見てきた経験もある。
一方で、花形部門であるPC畑の西田会長や原発畑を歩んできた佐々木社長など歴代社長に比べると、田中氏は資材部出身。西田会長は「東芝は34の事業を抱えており、このうち1事業しか経験していない人が経営するのは大変。経営は総合力なので、様々な分野の経験を持つ田中さんを社長に選んだ」とベタ褒めだが、地味な印象がある。
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