東芝、新トップが挑む“3つの課題"

田中久雄社長ロングインタビュー

もちろん社内基準に基づいて、大きなM&Aや事業転換、たとえば構造改革やリストラなどを行う場合は、取締役会で執行を決めたものを話し合います。ただ、それは全体の執行の中では非常に少ない。ある一定基準以上については取締役会で議論して結論を出すわけですが、それ以外のものは執行で全責任をとる形になっています。

だから世間でご懸念をいろいろと持たれているような、私が経営をやりにくいのではないかとかいうのは、まったくありませんし、私も懸念を感じていませんし、これからもないと思っています。

4大テーマに沿って課題解決していく

――すでに副社長時代から戦略企画にかかわっていらっしゃったと思いますが、現在、策定中の新中期経営計画には、新社長の色をどの程度まで出せそうですか。

昨年11月ごろ、全グループの役員を集めて土曜日に1日がかりで新中期経営計画について議論しました。過去を振り返ると、3年間だけを見通して計画を立てると当たらないことが結構多いことから、もう少し先の2020年までを見通して、世の中あるいは世界、社会がどう変わるかということを基礎に置いて、その中で今後3年間がどうなるかを話し合ったのです。

その結果、大きく4つのテーマが出てきました。まず、世界的に人口の増加や都市化の進行に伴って、毎年、膨大な量のエネルギーが必要になる。一方、先進国は高齢化や少子化の問題を抱えている。そして限られた地球資源あるいは環境という問題に加えて、ビッグデータです。

これら4つの大きなテーマを、東芝グループが持っている能力でどう課題解決をしていくのか。昨年も佐々木前社長が申し上げましたが、効率的にエネルギーを作って送り、使う「エネルギーイノベーション」があります。ビッグデータに関しては、「トータルストレージイノベーション」とわれわれが呼んでいますが、ストレージ(外部記憶装置)だけでなく、ビッグデータに関連するクラウドやストレージ、それら全体をスマートコミュニティと打ち出しています。

基本的にはこれらを踏襲する形で、新中計については8月初旬にお話させていただきます。ただし、それでは今までと変わらないので少し追加して、いくつか注力してやる分野を明確にするという格好です。ぜひご期待をいただけたらと考えています。

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