日本の画一的な教育はもう、限界が来ている

多様性をどう受け止めるか、問われる時代だ

鬼頭:価値観が変わると、性格も変わったりするんですか?

山口 真由(やまぐち まゆ)1983年札幌市生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験合格、首席で卒業後の2006年に財務省に入省。2009年から2015年まで大手法律事務所で弁護士として勤務。2015年に米ハーバード大ロースクールに留学。テレビ出演、執筆などに幅広く活動している。

山口:もともとそういう傾向はあったんですが、リベラル=自由主義という思考が強くなりました。リベラルって何かと言うと、多様性への寛容とマイノリティへの共感の2つのことだと思うんです。今後、日本でも多様化がどんどん進み、いろいろな人たちが住むようになっていく中で、この多様性への共感はすごく大事だなと思いました。

鬼頭:留学という時間を通じて、自分のやりたいことは見つかりましたか?

山口:向こうに行って、自分がジェンダー・ローとか家族法とかそういう方面に興味があることに気づいたんです。これからは弁護士というよりもアカデミック寄りの分野で活躍していきたいなと考えています。

留学で見つかった「自分のやりたいこと」

山口:米国にはLGBTだったりシングルマザーだったり、多様な家族の形態があります。向こうでは、血のつながりではなく家族になろうとする意志で家族を定義しようとするんです。もちろんお父さんが力強く家庭を守って、お母さんは優しくみんなをケアする、という家庭もすてきだと思います。だけどお互いを理解し、支え合おうとする意志と機能があれば、それはもう家族として認めるべきなんじゃないのかなって。

日本も今、変わりつつありますが、もう少しすればさらにいろんな家族の形態が生まれると思います。「何が正しい」「何が普通」みたいな自分が思っている家族像を他人に押し付けるのではなく、「私はこういう家族をつくりたい」って、自分が主体的に選んでいける国になってほしいと思っています。その辺のテーマを中心に、いろいろなアカデミクスの観点から考えていきたいですね。

鬼頭:それはすごく意外です。弁護士業とか、政治とかそっちの世界かと思いました。

山口:弁護士業もすごくやりがいがありますけれども、もっとやりたいことが見つかったという感じですね。

鬼頭:すごくいい留学だったことが伝わってきます。ちなみに最近英語の幼児教育が日本では盛り上がりを見せているのですが、小さいときから英語を学ぶことについてはどうお考えですか?

山口:それは、個人が選べばいいと考えていますね。幼児教育については賛否両論ありますよね。日本語をきちんとしゃべらないとアイデンティティが混乱するとか、言語が2つあるとフレキシブルな考えができるようになるとか。

私は両方とも納得できるので、それならば個人で選べたほうがいいな、と。実際、香港とかシンガポールでは公立校で英語を使って授業が行われているわけだし。英語ベースを選択できる人もいれば、日本語ベースを選択できる人もいるというのがベストですね。そういう多様性のある選択肢が欲しいです。

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