「爆買い終了」でも続くインバウンドの真実 悲観論は「百貨店不振」に引きずられすぎ?
現在の日本で、インバウンドは数少ない急成長分野のひとつだ。ただ、市場はまだ立ち上がったばかりで、消費のトレンドは頻繁に風向きが変わる。今、話している"インバウンド"は、昨年までの爆買いや観光バスの団体客で成り立っていたインバウンドとは別物だ。モノからコト、団体ツアーから個人旅行、大都市から地方へ――。
日本への理解度が高い中国の若者世代
訪日観光客の変化について分析するのは簡単だが、実際に対応するのは一苦労だ。しかし、観光立国を国策とし、インバウンドを重視する日本にとっては、人数が急増するだけでなくニーズも多様化し、行動も意識も分散している訪日中国人のニーズをいかにフォローし把握するのかは、抜き差しならない重要なテーマだ。
たとえば筆者は、こんな体験をした。今月、友人と北陸を訪れ、世界的な評価を受けている旅館に泊まった。サービスに眺望、そして食事と、すべてが完璧だった。それでも、最後に思わぬ所で興ざめしてしまった。なぜかというと、帰りに旅館の仲居さんにスマホで記念写真を撮ってもらおうとしたが、うまく操作できなかったので撮影を断念して帰らざるを得なかったからだ。たとえ、言葉が通じなくても、観光客にとって必須の写真撮影に笑顔でスムーズに対応できれば、今の時代にあった「おもてなし」になるはずだ。
20代、30代の中国人若者は、小さい頃から日本アニメに親しみ、日本に対する好感度も理解度も高い。彼らに日本旅行のファンになってもらえれば、2人目の子供も生める新「親世代」であることから、将来の市場成長にもつながる。爆買いのインバウンドはもう終わり、過去の物語となった。今、始まろうとしているのは、新たなインバウンド。それは、持続的な経済成長や文化交流にもつながる、進化した姿を見せようとしている。
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