中国人、ただ今スマホで「微信(WeChat)」中 実際に使ってわかった人気のヒミツ

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近所で出会える!「微信」のすごい新機能

微信の最大の特徴は、LINEにもFacebookにもない驚きの機能、「附近的人」(読んで字のごとく、近くにいる人の意。英語版では「Look around」と表示される)です。

ありていに言えば「出会い系アプリ」であるこのメニューをタップすると、GPSの位置情報に基いて今現在、近くにいるほかの微信ユーザーが100メートル以内、200メートル以内、といった具合に距離の近い順に一覧画面に出てきます。ほとんどのユーザーは顔写真入りのプロフィールをアップしており、写真付きブログの一部も見ることができますから、どんな人かはおおよそ知ることができます。検索に「男性限定」「女性限定」の設定を加えることも可能です。

気になる人が見つかったら直接メッセージを送って、運よく返事が来ればチャットがスタートできる仕組みです。近距離にいる相手ですから、会うのも簡単です。この機能は若者の間で出会い系アプリとして重宝されていますが、最近は悪用されるケースも多いようで、中国人の間でも警戒レベルが上昇中ではあります。

もちろん、出会い以外の使い道もあります。私の経験では、マレーシアに出張時に現地の情報を得るのに役立ちました。微信は英語版や日本語版もあるとはいえ、基本的には中国人向けのアプリですから、中国以外でも東南アジアのような中華系人口の多い所にはユーザーが多数います。マレーシアで「附近的人」を発動すれば、中国語で会話できる現地の人が多数ヒットします。そこで「北京から出張で来ました。クアラルンプール市内のParksonデパートの場所を教えてください」などとメッセージを送ると、親切に教えてくれる人がすぐ見つかります。

この「附近的人」機能を除けば、微信は基本的には友人限定のクローズドネットワーク内で使うコミュニケーション&情報共有のためのツールです。携帯の電話 帳に登録している微信ユーザーの友人は自動的にリスト提供されますから、その中からお互いに許可し合って友人限定のSNSとして使うのが基本です。

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